ジャニーズ事務所における少年に対する性加害問題が拡大を続けている。9月7日に開かれた記者会見を切っ掛けとして、とうとうスポンサーの大脱出が始まったようだ。
この、手のひら返しともいえる事態を受けて、メディアでは連日のようにジャニーズ事務所批判の大合唱だ。
しかし本当にジャニーズ事務所は終わってしまったのだろうか?
改めて検討してみると、ジャニーズ事務所は、世間の想像をはるかに超える強靭な組織のようだ。
そこで今回は、大批判が続く世間の空気を完全無視して、思いっきりジャニーズ事務所の側に立って、掟破りともいえる大胆なジャニーズ事務所再生策を提言してみたい。
称して「世論の批判完全無視、掟破りの私的ジャニーズ再建策」
ジャニーズは世間の批判を無視すべき
まず第一に提言したいのが、いま沸き立っている世間の批判を完全無視すべきだということだ。
いまメディアでは鬼の首でも取ったようにジャニーズ事務所批判の嵐が巻き起こっている。自分たちマスメディアが今までジャニーズ批判せず、隠ぺい時実質的に加担してきたにもかかわらずだ。
だが前回の記事で指摘した通り、ジャニーズ事務所の最大の収入源は「巨大なファンクラブだ」。なんと会員数1300万人以上、年間会費収入500億円を超えるともいわれる巨大組織だ。一人で複数口加入しているファンが多いとはいえ、会員数は数百万人は下らないだろう。
創価学会も真っ青の規模だ。
それに比べたら今話題になっているCMなどの広告収入や、テレビや映画の出演料(ギャラ)などはたかが知れている。最大限多めに見積もっても、年1000億円と噂されるジャニーズ事務所の売上の10%程度にすぎないだろう。(それでも100億近いが)。
ジャニーズ事務所の最大の資産は、この巨大なファンクラブだ。その意味で9月7日に行われたジャニーズ事務所の記者会見において、前社長の藤島ジェリー氏がファンクラブのファンを第一にしていると発言したことに間違いはない。
そこで、この巨大なファンクラブを生かしつつ、さらなるジャニーズ帝国の再生拡大を目指すべく以下のような再建策を勧めたい。
再建策その1:独自ネットメディア立上げ
再建策の第一として提案したいのは、独自ネットメディアの立上げだ。
経団連会長でサントリー社長である新浪氏は記者会見で、ジャニーズ事務所のタレントの広告起用見送りのみならず、テレビCMのスポンサーからの撤退も示唆した。ファンには残念なことだが、今後はジャニーズのタレントがテレビなどのCMや、テレビ番組に出演することは困難になるだろう。
そうなるとジャニーズ事務所の一番の資産であるファンクラブのファンとの接点が激減することになる。ジャニーズファンの強固なロイヤリティーをもってしても、テレビなどメディアへの露出減は痛手だ。特に新規ファンの流入という面では大きなハンディになりかねない。
そこで重要になるのが、ファンとのつながりを維持すする「独自ネットメディアの立上げ」だ。
要はジャニーズ専用のYouTubeのようなものを立ち上げる。モデルになるのはディズニーチャンネルだ。
今やディズニーの作品を見たければ実質的にディズニーチャンネルのサブスクが必須になっている。ミッキーだけでなくスターウォーズのシリーズもだ。既にディズニーチャンネルは、先行者のNETFLIXを追い越している。
同じように、ジャニーズのタレントを見たければ、ファンクラブの会員になり、ジャニーズのネットメディアのサブスクに登録する必要があるようにする。
月会費をネットフリックスと同じレベルの1000円程度に設定すれば、数百億円から場合によっては1000億円の会費収入も可能だ(中高生などには学割で500円程度に割引してもいい)。
そしてジャニーズネットでは、通常のテレビ番組と同様にジャニーズタレントによる歌番組やドラマ、グルメや旅番組を放送する。場合によってはニューズ番組を放送してもいい。
さらにジャニーズ事務所が長年に渡って蓄積した楽曲やライブ、舞台などの映像作品をジャニーズネットで独占配信上映することで、ジャニーズのコンテンツを独占的に活用することも可能だ。
ジャニーズのファンはもちろん女性だ。さらに企業が一番注目しているティーンから消費支出の一番多い中年までの所謂F1層が中心を占める。企業としては、このF1層へのリーチを確保するために、本音としては何としてもジャニーズの力を借りたいだろう。しかし独自メディアになったジャニーズには、いくら高額の広告費を支払ってもアクセスできなくなる。痛手をこうむるのは広告から撤退した企業のほうだ。
民放のテレビ局はさらに困難に直面する。今までさんざんにジャニーズを利用しスポンサーの広告を獲得してきたが、ジャニーズのタレントにはアクセスできなくなる。そうなると広告収入が激減して、困るのはテレビ局のほうだ。
再建策その2:タレントのパートナーシステム導入
今後のジャニーズを占う上で一番重要なのはCMでもテレビ出演でもない。それは、いま主力で活躍しているジャニーズタレントを繋ぎ留めることと、さらに魅力的な新しい才能を発掘することだ。そのためには、オーディションに新しい候補者が切れ目なく流入することが必要になる。
その際に重要なのは、タレント本人にジャニーズに留まることがメリットだと感じさせることだ。
そこで導入を進めたいのが「パートナーシップ制度」だ。
このパートナーシップ制度は、ゴールドマンサックスなど多くのアメリカの投資銀行で導入されていた利益配分制度だ。今は多くの投資銀行が株式会社になっているが、以前は日本の民法上の組合に近いパートナーシップ制度を取っていた。普通の会社のような株主はいなかった。
ゴールドマンなどでは、最初は平社員としてキャリアーをスタートする(通常はアソシエートと呼ばれる)。その後に高い業績を上げて昇進を重ねると、最終的にパートナーの一員に招聘される。ようは株主兼取締役に迎えられるようなものだ。このパートナーになると取締役会議での投票権とともに、利益の配分権も与えられる。今は多くの投資銀行は株式会社に転換されているが、以前はこのパートナーシップ制度を採用しており、高い業績と忠誠心の源泉になっていた。株と違う点はあくまでもパートナー権という点だ。例えば本人が亡くなったとしても株式のように相続はできない。また通常は会社を退職する場合には、パートナー権は返上しなければならない。
ジャニーズタレントとして成功すれば、出演料や印税などのギャランティーに加えて、さらに将来会社からの利益配分権を手にすることができるようになるとなれば、全国どころか世界中から有能な才能が集まってくるだろう。
ネックは決済
以上のような改革案を実行するうえで幾つか留意する点がある。一つ目は決済システムだ。VISAやMasterなどの国際カード決済会社は、最近人権侵害などに神経質になっている。ポルノやオンラインカジノなどの決済は実質的に新規で受け付けていない。
そこで導入したいのがPaypayなどの国内向けスマホ決済だ。これなら国際的な批判を気にすることもない。またカードを持っていない情弱層や貧困層も利用可能だ。
サーバー会社買収
決済と並ぶ懸念材料はサーバーだ。現在大手のネットサービスの大半が、AmazonのクラウドであるAWSかGooglecloud、Microsoftのアズールを利用している。しかし人権侵害企業と認定されると、このクラウドの利用を制限される可能性がある。場合によってはサーバーに蓄積されたコンテンツもろともアカウントが閉鎖されるリスクさえある。
この事態を回避するために、ジャニーズ事務所は、国内に拠点を置くサーバー会社の買収も検討すべきだろう。独自のクラウド基盤を持てば、国内向けなら問題なく配信が可能になる。また国内のDXやIT産業の振興となることから、場合によっては政府のバックアップも期待できるかもしれない。
最後に泣くのはテレビ局
もし提案したジャニーズの独自ネットメディア(仮称「ジャニーズネット」)が成功した場合には、泣きを見るのはテレビ局のほうになるだろう。既に多くの視聴者がテレビから離れている。私自身も最近はSNSやYouTubeは見れど、テレビはほとんど見なくなっている。
もしジャニーズファンの多くが、テレビから離れてジャニーズネットを日常的に視聴するようになれば、テレビ局はその巨大な会員数の視聴者を失うことになる、ジャニーズファンの数から推計すれば、テレビの視聴率が数%から最大で5%程度低下する可能性がある。さらに巨大な購買力を有するF1層がジャニーズファンに含まれることを考えると、視聴率減少の実際の影響は、その数倍になるかもしれない。
そうなると広告メディアとしての民放テレビ局の存在意義が問われる事態になりかねない。要はジャニーズの代わりにテレビが終わるのだ。
ジャニーズが日本のメディアを根本的に変える
一見すると窮地に陥っているように見えるジャニーズ事務所だが、数年後に振り返ってみると、逆に批判しているマスコミが窮地に陥る事態になりかねない。ここ何年か続いていた視聴者のテレビ離れが加速し、最終的には、在京キー局の一角が経営危機に陥り、全国紙が消滅する可能性もあり得る。
後から振り返ってみてれ、このジャニーズ騒動をきっかけに、日本のエンターテイメントのみならず、在京キー局のテレビ局と全国紙を中心とした大手メディアシステム全体が終焉を迎える結果になるかもしれない。

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