ジャニーズの騒動が治まらない。
9月7日に開かれた会見以降も、連日の様にスポンサー企業の撤退が報じられている。この騒動は収まるどころか拡大し続けている。
ジャニオタ≒カルト
その中で目立ったのがジャニオタと呼ばれる熱狂的なファンの存在だ。
今年3月の英国BBCによる暴露調査報道、そして元ジャニーズのメンバーに実名告発を受けても、その勢いは衰えを知らなかった。
当初は多くのジャニオタが、調査報道内容容を否定し、実名告発した元ジャニーズのメンバーを売名行為だと非難した。
8月末に当のジャニーズ事務所が委嘱した「再発防止特別チーム」が、半世紀に渡るジャニー喜多川氏による性加害を認定した後も、ジャニオタは現実を認めることはなかった。物理的証拠がないことを理由として、元検事総長が作成した報告書の内容を否定する書き込みがSNSに溢れた。
9月7日の記者会見でジャニーズ事務所自体が長年に渡る性加害を認めて以降も、多くのジャニオタが現実を認めることは無かった。
スポンサー企業が、広告から撤退し始めると、その非難の矛先はスポンサー企業に向かった。一部の過激なファンは、スポンサーから撤退した企業の商品の不買運動をSNSで呼びかけている。
その熱狂的なジャニーズファン(ジャニオタ)を見ていて多くの人が感じたことが、カルト宗教との類似性だ。
そこでこのnoteでは、今後のジャニーズ事務所の行方をカルト宗教との類似性という視点から占ってみたい。
ファンクラブ≒カルト宗教
今回のジャニーズ性加害問題で明らかになった点の一つして、ジャニーズの巨大なファンクラブの存在がある。
ファンクラブの会員は東京都の人口並み
一連の報道によると、その規模は会員数で1300万人を超えるらしい。日本の人口が約1億2000万人だから、単純計算で何と人口の10%以上が加入していることになる。ほぼ東京都の人口と一緒だ。
実際には、一人のファンが家族や友人名義で複数加入するケースが多いようだ。これは、ファンクラブの会員一口に対して、コンサートのチケットの優先購入をする応募券が割り当てられるのが理由らしい。確実にチケットを入手したいファンは、複数名義でファンクラブに加入する。
それでも少なく見積もって数百万人のジャニーズファンクラブの会員が存在することになる。仮に一人のファンが5口加入していたとすしても260万人になる。一口しか加入しないライトなファンも多いとしても、500万人程度のファンクラブ会員がいることになる。日本の人口の1%は120万人程度なので、控えめに見ても100人のうち数人がジャニーズファンクラブの会員ということだ。ファンクラブの会員は大半が女性だろうから、成人女性の5%程度がジャニーズファンクラブの会員と言うことになる。繰り返しになるが、この数はファンクラブに加入している人数だ。ファンクライブに加入していないライトなファンも加味すると、場合によっては全女性の20%程度がジャニーズファンの可能性がある。これは大幅に水増しされていると噂される自民党の支持者数に近い。宗教で比べると600万人の公称信者数を誇る創価学会の会員数に勝るとも劣らない数だ。
会費収入は500億円超
ファンクラブの会員数だけでも驚きだが、もっと驚きなのはその会費収入だ。ジャニーズのファンクラブであるジャニーズファミリークラブの年会費は4000円程度らしい。そうなると会員数1300万人で計算すると単純計算で520億円になる。
更にファンクラブ会員によるグッズやCDの販売、ライブでのチケット収入を加味するとなると、ファンクラブだけで数百億円の売り上げ規模になる。
ジャニーズに何故惹かれるのか
ここで最初に浮かぶ疑問が、多くの女性ファンがなぜジャニーズに惹かれるのかだ。
ジャニーズのメンバーは所謂「美少年」キャラではあるが(一部例外を除き)取り立てて美形と言うわけでもない。嵐の某メンバーなどは、どう見ても「とっちゃん坊や」にしか見えない。新幹線などので何度かジャニーズのメンバーを直に見たことがあるが、正直な印象は「子供」だ。身長はそれほど高くなく、意外に顔が大きい。最初に思い浮かんだのは、よくある頭と目が大きい宇宙人のイラストだ。

ジャニーズ≒ネオテニー
そこで思い浮かんだのが「ネオテニー(幼体変性)」と呼ばれる現象だ。生物の中にはカエルのように幼児期と成熟後で形態が大きく変化するものが少なくない。セミなどの昆虫もそうだ。
このような生物の中には、幼児期の形態のまま生殖能力を獲得するものがある。イメージとしては、芋虫やオタマジャクシのままセックスをして子供を残すイメージだ。
女性が好むキャラクターには、このネオテニーの形態をとるものが多い。目が大きく、丸い顔と幼い体の比率がアンバランスなのが特徴だ。ハローキティーやドラエモンなどのアニメキャラもこの比率に近い。
そして多くの女性がネオテニーの特徴を持つキャラクターを見ると揃って口にする言葉がある。
「カワイイ」だ。
恋愛至上主義とジャニーズ
ジャニーズ事務所が誕生したのは、今から60年前の1960年代半ばだ。しかしジャニーズのタレントが本格的にお茶の間に普及したのは1970年代半ば以降だろう。最初にヒットしたのがフォーリーブスと郷ひろみだ。そして光GENJIや少年隊が登場したのが1980年代のバブル期以降だ。
この時代に普及したことの一つが「恋愛結婚」と「核家族」だ。それまでは、多くの女性がお見合いで結婚していた。しかし1980年代以降にお見合いの割合が急減した。代わって主流になったのが、恋愛による結婚だ。テレビ局が若い男女の恋愛模様を中心とした「トレンディードラマ」を盛んに放送していたのもこの時代だ。
幸せになるための競争
ただこの恋愛至上主義ともいえる状況には負の側面もある。多くの女性が、親の決めた相手との結婚という極めて封建的な制度から解放された一方で、「幸せになる」ためには、「恋愛市場での厳しい競争」を勝ち抜く必要が生じた。日本女性が世界的に見ても過剰なほどファッションやメイクに拘るようになったものこの時代からだろう。
競争に勝ち抜き幸せになるためには、他のライバルを蹴落とす必要がある。しかし客観的な容姿には歴然とした差が存在しる。いくら頑張ってもドラえもんの様な体型の女性が、モデルなれるる訳はない(最近は整形と言う飛び道具もあるが)。
そこで生まれたのが「カワイイ」「かわいい」という概念だ。例えドラム缶のような体型でも、「カワイ」ければ、他のライバルを蹴散らすことができる(かもしれない)。男性から見たら滑稽なこの「かわいい」現象も、ある種の宗教と言えなくもない。ピンク色をしたハローキティ―のグッズを身に着けると、寸胴の体型も「かわい」くなった気がするのだろう。
また女性の間で交際相手の男を3K(高身長、高学歴、高収入)などの数値化されたスペックで表すようになったのもこの時代からだ。
カルト宗教とジャニーズ
興味深いことに同時代に同じように普及したのが、新興の「カルト宗教」だ。それまでも戦後日本では、創価学会や天理教などを中心に新興宗教が盛隆を極めていた。しかし1970年代半ばから、過激な新手の新興カルト宗教が拡大しだした。有名な「戦国イエス」や、大川隆法率いる「幸福の科学」、もちろん地下鉄サリン事件で有名な「オウム真理教」も含まれる。
この新興カルト宗教の特徴の一つが、信者に高学歴の女性が多いことだ。
その理由として考えられるのが「恋愛至上主義」だ。幸せな結婚をするためには、常に「カワイイ」必要がある。
この過剰ともいえる「カワイイ」競争に晒された女性達の一部が嵌まったのがカルト宗教と考えると分かりやすい。
知能が高い彼女たちは、キャリヤ志向が強い。しかし同時に恋愛市場で勝利するために、常に「カワイイ」存在であることが要求される。高学歴で高知能であるがゆえに、実際の自己と理想の「カワイイ」の間で葛藤することになる。典型的な認知的不協和だ。
そして同時期に多くの(あまり知能の高くない?)女性が熱狂し始めたのが「ジャニーズ」だ。
こう見ると同時代に拡大した「ジャニーズ」と「カルト宗教」には類似点があるようにも思える。
因みにジャニオタなどのジャニーズファンは、性加害をしたジャニー喜多川を「神(カミ)」と呼んでいたそうだ。
性のイニシエーションとジャニーズによる性加害
このオウムを中心とした新興宗教の多くで、教祖とのセックスが教義の一つとして取り入れていた。一番有名なのはオウム真理教の麻原彰晃による「性のイニシエーション」と呼ばれる儀式だ。要は麻原と美人女性信者のセックスだ。女性信者たちは、客観的に見ればヒキガエルの様な醜い外見の麻原とセックスることで、教団内での地位が向上し他の信者から特別扱いを受けるようになった。今で言えば自己承認欲求が満たされたのだろう。
同じように今回のジャニーズ問題でも未成年のジャニーズジュニアに対して、ジャニー喜多川により頻繁に性加害、レイプが行われていた。
そして多くのジャニーズジュニアが、そのレイプを芸能人としてデビューするための一種の「通過儀礼」として(嫌々ながら)受け入れていたようだ。性被害に遭えばあうほど、デビューや将来の成功の可能性が高まると考えられていたようだ。
ジャニオタは恋愛競争の負け組?
1970年代以降の日本社会の推移と、ジャニーズの盛隆を重ね合わせてみると、多少強引だが見えてくるものがある。
恋愛競争に敗れた(または結果に不満を抱いている)多くの女性たちの満たされぬ欲求(欲望)だ。
恋愛至上主義の婚活マーケットでは、上を見れば限がない。多くの選択肢に囲まれた(と誤解している)多くの女性達が、自分はイケメンの3K男(古い!)と、愛と金に溢れた幸せな生活を送れる(はず)だと思い込んでいた。
しかし現実は非情だ。恋愛至上主義の婚活マーケットで勝者となるのは、容姿や才能(そして運)に恵まれた一部の限られた女性にすぎない。
残りの大多数の女性は、結果に多少不満を抱きながらも現実に妥協せざるを得なかっただろう。
そして満たされぬその不満の捌け口となったのが、ジャニーズと考えると、ジャニオタたちのカルト宗教的ともいえる過激な言動や熱狂的な行動が理解できるかもしれない。
多くの女性が脳内に抱く「理想の恋愛」や「理想の結婚」と、平凡な結婚や日々の生活との間の「認知的不協和」を生める手段がジャニーズだったとしても何ら不思議はない。
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