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8月, 2023の投稿を表示しています

恒大集団が破産申請・・・意外に知らない中国不動産バブルの実態

8月19日㈮に中国不動産大手の恒大集団が米国で破産申請したとのニュースが飛び込んできた。日本でも、このニュースを受けて株式市場が一時下落するなどの影響があった。 このニュース以外にも最近中国経済の不調を示すニュースが多くなってきた。不動産バブルの崩壊を懸念する意見も多く耳にする。 しかし度々話題に上る中国の不動産バブルの実態を正しく理解している人は少ないのではないだろうか。そこでこのnote では、中国不動産バブルの実情を筆者が知る範囲で解説してみたい。 不思議な中国不動産市場 マンション代金は前払い 日本と中国の不動産市場の違いでまず思い浮かぶのがこれだ。中国で一般庶民がマンションを購入する際には、物件が完成する前に契約段階で全額支払う必要がある。 契約段階では頭金だけ支払って、物件が完成して引き渡す時に残金を支払う日本とは大きな違いだ。 タイやフィリピンなどの新興国の不動産市場でも、建物が完成する前から建設段階に応じて支払いが発生する国は多い(通常プレビルドと呼ぶ)。しかし、建物が全く建っていない時点で、全額を支払う仕組みは中国独特だ。 これは膨大な需要に対して、供給が圧倒的に不足していた中国不動産市場特有の現象だ。当然ローンも建物が建っていない状態で組むことになる。 直ぐに思い浮かぶだろうが、もし建築が途中で中断した場合(これは結構頻繁に起きる)、ローンだけ残ることになる。この場合でも多くの場合に支払いは免除されない。 中国の不動産関連のニュースで暴動紛いの騒動が起きているのは、ローンだけ抱え込んだ購入者が怒って騒ぎを起こしたものだ。 土地の所有権は無い 中国と日本の不動産で一番大きな違いは、「土地の所有権がない」という点だろう。 中国は、建前上は今でも共産党が指導する社会主義国家だ。なので土地は全て「公有」だ。ようは国家のモノだ。中国で売買されている土地の権利は、あくまで日本で言うところの「借地権」にすぎない。しかも期限付きだ。通常は住宅は70年、商業地は50年間は利用権が保証されている(ことになっている)。 だが、地方などでは、実際には政府肝いりの開発プロジェクトなどがあると、二束三文の保証金で土地を没収されることも多いらしい。 地方政府が土地を売却 中国の土地は「公有」だが、実際に土地を管理しているのは、上海市や北京市などの地方自治体だ。 地方自治体は、...

恒大集団が破産したニュースを聞いて不安になった時に読む話(その1)

破産したのはケイマン法人 先週8月19日に中国の不動産デベロッパー大手の恒大集団が米国で破産申請したとのニュースが流れました。このニュースを受けて株式市場が下落するなど大きな影響がありました。 しかしよく考えてみると、中国の不動産大手が何でアメリカで破産申請するのか意味不明と感じた人も多いでしょう。 実は、そもそも今回破産したのは、カリブ海のケイマン諸島に登記されている法人です。この話を聞いて更に混乱したひともいるかもしれません。中国の不動産会社だと思っていたのが、何故「ケイマン法人が米国で破産申請??」と二重に意味不明でしょう。 以下かいつまんで説明してみたいと思います。 外国人は中国企業の株を持てない そもそもの話として、中国では今でも外国人は一部例外を除いて人民元建ての中国本土企業の株式を持つことは出来ません。これは中国がもともと共産党が支配する社会主義国家だからで、基本的には企業は全て国有が原則です。 もちろん中国には日本企業をはじめとして多数の外資が進出しています。この場合は、中国企業との合併(JV)か、または外資100%で中国に会社を設立して企業活動を行っています。 今でも、例えば、フランス企業のルノーが日産自動車に直接出資したように、日本企業のトヨタが中国企業の東風汽車の株式を買収して中国で事業を行うことは出来ません。 改革開放で背に腹は代えられなくなる その中国ですが、今から40年前に改革開放路線に舵を切り、30年前の1990年代に入ると株式市場が整備されました。しかしこの時点でも、国内企業の株式を外国人が直接保有することは禁じられていました(今でも原則禁止です)。これは中国本土の企業が外国資本に支配されることで実質的に植民地化されるのを恐れたためです。 一方で中国は、急速に経済発展するためには、膨大な外国資本を必要としていました。今では想像できませんが、当時の中国は今の北朝鮮並みに貧乏で、ドルや円などの外貨も殆ど持っていませんでした。 発展のためには、工作機械などの設備や技術を導入する必要があります。そのためにはドルや円が必要ですが、当時の中国はパンダと漢方薬ぐらいしか輸出するものがありませんでした。要は”超貧乏”だったのです。 外国人が中国企業に出資するのは止めたい、しかし海外の資本や資金を導入したいという矛盾した要求に応えるために”数々の制度の...