スキップしてメイン コンテンツに移動

【台湾有事に本気で備える】・・・その(2)台湾有事の現実的なシナリオ

ウクライナ戦争の勃発以来、軍事力を使った国境や領土の変更の現実性が改めて認識され、日本でも台湾有事の可能性が話題に上ることが多くなっている。
情勢の緊迫化を受けて日本政府も防衛費の倍増方針を表明した。
台湾有事の可能性が高まってきているのは間違いないようだ。

そこで今回は将来発生するかもしれない台湾有事で、実際に何が起きるか現実的なシナリオを紹介してみたい。

予想されている軍事的なシナリオ

ハイブリッド戦争

まず最初に起きることが予想されているのが、大規模サイバー戦争を含む、所謂「ハイブリッド戦争」だ。電力や通信、交通などの各種重要インフラに対して大規模なサイバー攻撃が行われる。このサイバー攻撃には、金融機関へのハッキングなども当然含まれる。

また各種フェイクニュースをSNSなどにバラまくことで、政治的な混乱を狙った攻撃も実施されるだろう。

スマホなどが一時的にでも利用できなくなり、○○ペイなどのキャッシュレス決済が止まっただけで、経済には甚大な損害が出るだろう。

更に台湾と世界を結ぶ海底光ファイバーケーブルが遮断されることも想定されている。そうなると台湾と世界の通信は衛星通信のみになり大幅に制限されるだろう。

台湾海上封鎖

次の段階で予想されているのが、台湾の海上封鎖だ。日本と同じ島国の台湾は、海外からの輸入に依存している。中国が台湾周辺の海上封鎖を実施し、船舶や航空機の運航を妨害しただけで、台湾は、食料や原油などの物資不足に陥り大混乱になるだろう。

同時に中国と台湾の間の台湾海峡も完全封鎖されるだろう。民間船舶や航空機の立ち入りは完全に止められるか、中国による臨検が行われるようになるだろう。

ミサイル攻撃

次に予想されるのが大規模なミサイル攻撃だ。台湾のレーダーなどの防空システムや発電所などのインフラに大規模なミサイル攻撃が実施される可能性が高い。台湾側も防空体制は取っているが、数百発のミサイルによる同時攻撃が行われた場合には、既存の防空システムだけでは防ぎきれないだろう。

この攻撃の際には、従来のミサイルだけでなく、大量のドローンを使った所謂「飽和攻撃」や「スウォーム攻撃」が行われる可能性も高い。今のところ、この大量のドローンを使った攻撃を効果的に防ぐ方法は開発されていない。相当な損害が出て一般市民の生活が困難になるだろう。

直接上陸作戦

台湾の防空システムを無力化し、制空権と少なくとも台湾海峡の制海権を獲得した後は、陸上部隊による上陸作戦が行われるかもしれない。少なくとも10万人規模の部隊が台湾の海岸に上陸。また空港などへの大規模空挺攻撃が実施されるかもしれない。

外からの補給が断たれた状況では、台湾軍は組織的な抵抗を長期間続けることは困難だろう。こうして中国の台湾占領、武力統一が完了することになる。

宮古島上陸作戦と日本参戦

もし中国が台湾本島への本格的な上陸作戦に踏み切った場合、宮古島、石垣島などの先島諸島に中国軍の上陸作戦が行われる可能性もある。特に三千メートル級の滑走路を有する下地島は絶好のターゲットだろう。4月に陸自のヘリが墜落したのも正に下地島の沖だ。
下地島または石垣や宮古島の空港が一度中国軍に占領されると、日本本土や沖縄本島と宮古、石垣など先島諸島との交通は事実上遮断されることになる。

この時点で日本の領土が侵略されることになるため、日本は自動的に”戦争当事国”になる。自衛隊は、先島諸島の防衛に際し、中国軍と直接戦うことになるだろう。

また台湾本土に中国軍が上陸した場合、米軍が逆上陸作戦を行う可能性もある。今現在、台湾に最も近い米軍基地は沖縄本島にある。だが大規模な上陸作戦などを米軍が実行するとなると、その拠点となるのは間違いなく先島諸島だろう。特に二つの滑走路がある”宮古島”の重要性は非常に高い

余談かもしれないが、もし定年後の移住などを検討しているなら再考したほうがいいかもしれない。

アメリカの反応

中国が台湾の武力統一に動いた場合には、当然アメリカが反応するだろう。現在、アメリカと台湾の間には国交がなく、アメリカが台湾を国家として承認していないことから、アメリカが反撃しないとの説もある。しかしアメリカが反応しないことはあり得ない。何故ならアメリカが対応しない場合には、結果としてハワイ以西の西太平洋地域での覇権を実質的に失うことになるからだ。アメリカ政府と軍が直接的な対応をすることは間違いないだろう。

日本経由で台湾への軍事援助

台湾が中国による初期のミサイル攻撃などに耐えられた場合には、アメリカは現在のウクライナへの軍事援助と同じように、大量の武器援助を行い、台湾軍の防戦を支えようとするだろう。ただし、この場合いでも、ウクライナと異なり島国の台湾に武器を輸送することが、相当難航することが予想される。
その際に武器輸送の拠点となるのは、まぎれもなく日本にある在日米軍基地だ。特に東京福生市にある横田基地は、輸送のハブ拠点になるだろう。
また援助物資の輸送は空輸主体で行われる可能性が高いことから、成田空港や関西空港など民間空港が接収される可能性もある。
もし米軍から民間空港の利用要請があれば、日米安保と日米地位協定に基づき日本政府は拒否できないだろう。

防衛への直接協力

次の段階として考えられるのが、アメリカ軍部隊が台湾防衛に直接協力する場合だ。この場合には、対空ミサイル部隊や航空部隊が中心となり、台湾防衛の一部をアメリカ軍が担う形になるだろう。またアメリカのプレゼンスとコミットメントの象徴として第八十二空挺師団など緊急展開部隊が台湾に展開することも考えられる。
ただこの場合でも、米軍の役割は台湾防衛のみで、中国軍への反撃には米軍は直加わらない形をとるだろう。

米中直接衝突

最後のケースは、米軍が直接に中国軍と対峙する場合だ。台湾本土に中国人民解放軍が上陸した場合になどには、米軍が反撃せざるを得ないだろう。このケースでは、米空軍の戦闘機や爆撃機、軍艦が中国軍の航空機や軍艦を直接攻撃する。また一旦、台湾本土が中国軍に占領された場合に、台湾本土に逆上陸攻撃を仕掛けるケースも想定される。

大規模戦争

もし中国軍と米軍が直接対峙した場合には、当初は相当とも軍事行動を限定された範囲に自制するかもしれない。
しかし過去の戦史を紐解くまでもなく、一度戦火が開かれれば、事態は急激に悪化するだろう。
特にアメリカの空母が撃沈されるなどして、大量のアメリカ兵の命が失われた場合には、アメリカ国民の報復感情が一気に高まり、核兵器も含む大規模・全面戦争に発展するリスクを常に孕む。

偶発核戦争

最悪のケースとして核兵器が使用される可能性もある。一部の軍事専門家が、中国人民解放軍の軍事力が米国を凌駕しつつあることや、米軍の利用可能な軍事力が限られていることから、「米軍が先に核兵器を使用する」可能性を指摘している。話題になった以下の近未来小説でも、先に核兵器を使用するのは、アメリカ軍の方だ。

その他の対応:国連など

中国が国連の安全保障理事会の常任理事国である限り、ウクライナ戦争と同様に国連が効果的な役割を果たすことはないだろう。要は国連は無力と言うことだ。

台湾有事で国連が完全に機能不全に陥った場合には、中国を国連から排除する動きが出るかもしれない。少なくとも侵略当事者が安保理の席を失うようになる可能性はあるかもしれない。ただ国連は多数決のためアフリカなど新興国の反対で動きが取れなくなる事態の方が可能性が高い。

場合によっては、国連に替わってNATOなどを基幹に新たな”新国連”が作られるかもしれない。

台湾有事の際に日本で何が起きる?

一旦、中国による台湾への武力攻撃が発生した場合に日本はどうなるのだろう。以下に想定される事態を記してみたい。

中国政府からの要求

台湾有事が始まると中国政府から日本政府に対して、不介入の要求があるだろう。当然のことながら在日米軍基地を経由した台湾への武器援助の中止を求めてくるだろう。また在日米軍基地を拠点とした米軍の軍事作戦を制限するように要求もしてくるだろう。
もちろん政府、国会は大混乱に陥るだろう。
だが日米安保条約と日米地位協定の下に実質的に在日米軍の統治下にある日本政府は、中国からの要求を拒否する以外に選択肢はない。
要は直接の当事者として戦争に巻き込まれるのだ。

米軍基地へのミサイル攻撃

日本本土への攻撃として、まず第一に考えられるのが、日本にある在日米軍基地への直接的なミサイル攻撃だ。台湾有事の際には、地理的条件から、米軍は日本本土および沖縄にある在日米軍基地を拠点とせざるを得ない。当然、中国は日本政府に対して、在日米軍基地を経由して台湾へ武器を積んだ輸送機が飛行することを差し止めるよう要求してくるだろう。ただ日本政府としては、在日米軍基地の活動を止めることは事実上不可能だ。この場合には、中国が日本にある在日米軍基地への直接攻撃に踏み切る可能性が高いだろう。
近くに在日米軍基地がある地域に住んでいる国民には覚悟が必要だ。

在日米軍基地へのゲリラ攻撃

ミサイル攻撃と同時に、または個別に、在日米軍基地へのゲリラ部隊による攻撃も予想される。日本には既に70万人以上の中国人が居住している。大半の中国人が只の留学生やビジネスマンだろうが、この在日中国人の中に数百人のゲリラ部隊が密かに潜入したとしても探知は不可能だろう。また武器に関しても、ドローンなどの民生品を利用して十分に効果的な攻撃が可能だ。身一つで入国した中国人民解放軍のゲリラが、ホームセンターやAmazonなどで調達した部材で即席の武器を製造して、在日米軍基地や自衛隊、電力や通信などのインフラ攻撃を行うことは十分可能だ。

日本のインフラへの攻撃

在日米軍基地や自衛隊基地への攻撃と並んで、中国が日本のインフラ施設への攻撃を行うことも想定される。電力や通信などのインフラに加えて、原子力発電所などに対する攻撃も行われるかもしれない。攻撃の予告や脅しが行われるだけで日本中がパニック状態になるだろう。

大規模停電が発生すれば、それだけで国民生活が停止する。またサイバー攻撃で金融やインターネットなどの通信も遮断されるかもしれない。

日本のシーレーンに対する攻撃

言うまでもないが島国の日本は、物資の大半を海外からの輸入に頼っている。現状、中国人民解放軍が、日本のシーレーンを完全に封鎖することは兵力の面から困難だと思われる。だが例えば少数の潜水艦が、日本に向かうタンカーやコンテナー船を数隻撃沈しただけで、船舶輸送はパニックに陥るだろう。

また台湾周辺が中国海軍により海上封鎖された場合には、中東から原油を輸送するタンカーを中心に戦争海域を避けて航行する必要が生じる。マラッカ海峡を抜けた後は、フィリピンの東側の太平洋経由での航行を余儀なくされるだろう。
またグアムにある米軍基地が戦場となった場合には、マリアナ諸島からフィリピンを挟んで中国沿岸まで、南シナ海全域とグアムサイパンから西側の太平洋が戦場になる。
この場合には、日本向けのタンカーは、グアムサイパンから小笠原諸島を結ぶ線の東側の太平洋を経由する必要が生じるだろう。
また、マラッカ海峡が機雷などで封鎖された場合には、タンカーはインドネシアのロンボク海峡経由での航行を余儀なくされる。この場合には日本までの距離が二倍になる。
その場合には、日本に到着するまでの時間が大幅に長くなることから、日本国内では食料や燃料が大幅に不足する事態も想定される。
季節や場合によっては、飢餓や凍死などの事態になる可能性も有る。

次の回では、一人一人の具体的な対応策を考えてみたい。

コメント

このブログの人気の投稿

最強クリスマス寒波は、暖房なしで、これで乗り切る・・・車の立ち往生対策にも

FIRE・セミリタイア民はどうしても家でパソコンを使って過ごすことが多くなる。また、最近はだいぶ減ったかもしれないが、リモートワークの人も多いだろう。 そうなると厄介なのが冬の寒さ。パソコンに向かっていると、足や背中が冷えてくる。特に今年はインフレで電気代やガス代が、爆上がり中。 ということで、今回はFIRE・セミリタイア民のみならず、リモートワーク民向けに、冬の省エネ防寒対策を紹介してみたい。 私は暖房なしで過ごしてます 今年も大分寒くなって来た。 そんな寒い中、私はここ数年、日中「暖房なし」で過ごしている。その時使うのが以下の三種の神器だ。 動ける寝袋で暖房要らず 私は節電も兼ねて、着ぐるみ型寝袋を愛用している。以下のようなタイプのものだ。これを着ていると暖房なし、部屋の温度が10℃以下でも温かい。ほぼ暖房なしで過ごしている。 今回のクリスマス寒波では、新潟などで車の立ち往生が頻発しているようだ。エンジンを付けっぱなしにして、一酸化炭素中毒なども起きている様子。そんな時、この着ぐるみ型の寝袋があれば、エンジンを切っても何とか乗り切れるだろう。 【立ち往生したときには】 県内では断続的に雪が降り、路面状況が悪くなっています。 立ち往生したときは 車のマフラー付近をこまめに除雪。 できれば防寒具を着てエンジンもOFFに。 身動きがとれない場合は「道路緊急ダイヤル」#9910 に連絡。 #nhk_video_toyama https://t.co/n7jRGpN6Ez pic.twitter.com/WdVAEl9il2 — NHKとやま (@nhk_toyama) December 23, 2022 基本は足冷え対策 デスクワークの冷え対策の基本は、足を温めることにつきる。安いホットウォーマーで十分温かくなる。逆に頭を温めると眠くなる。 家事の際には歩けるタイプ 家事などで歩き回ることが多い場合には、歩ける靴タイプがお勧め。私も愛用している 背中が冷える場合 人によっては背中やお腹が冷える人も居るかも知れない。そんな時は、バイクのツーリング用に販売されている電熱ベストがお勧め。最近の製品はモバイルバッテリーを接続して使うタイプが中心。着ぐるみ型の寝袋と併用すると、低い温度設定でも十分温かい。 室内テントも 更に室内にテントを張ってしまうとういのも有効だ...

2022年相場の回顧・・・意外に常識の範囲だった

2022年も年末が迫って来た。ということで、月並みながら今年の相場の回顧をしてみたい。 結論から先に言うと 「常識の範囲内」 と言うことになる。 FRBの利上げで株価下落 今年の相場の流れを決めたのは言わずもなく「FRBの利上げ」だろう。既に2021年の半ばから 、アメリカでは強い物価上昇が始まっていた 。そして、そして年明けに勃発したロシアによるウクライナ侵攻で、世界的な物価上昇が決定的となった。 40年ぶりの10%近い物価上昇を受けて、3月からfRBが、 事前の予告通り「連続利上げ」に踏み切った 。 あとはご存じの通りで、それまでコロナ禍を物ともせず「爆上がり」していた米株を中心に、株式市場が総崩れの展開となった。また、通常は株価と逆相関になると言われていた債券も大暴落。ほとんど全てのアセットクラスが下落(暴落)する展開となった。 GAFA大暴落でレバナス爆死 FRBの利上げに伴い、これも教科書通りに、 ハイパーグロスのGAFA株が暴落 した。これも「極めて教科書通り」の展開だった。 金利が上がれば、株価の割引現在価値は大幅に下がる。 特に将来の成長期待で買われているNasdaq株は当然のことながら大きく下落する。まさに 投資の教科書の1ページ目に書かれている内容だ 。 これに伴いコロナバブル以来、SNSなどで持て囃されていた「レバナス」などのレバレッジETFは、軒並み爆死することになった。またカリスマファンドマネージャーに率いられ、 テスラ株への収集投資で知られるアークインベストメントなどのファンドも軒並み暴落した。 カリスマは唯の バブルのあだ花のピエロ であることが判明した。これも過去のバブル相場では、良くある話だ。 日銀指値オペで超円安相場 このFRBの連続利上げにも拘わらず、我が日本銀行は黒田総裁の指揮の元、 異例の「連続指値オペ」を実施し、超円安が確定的となった。 年初115円台だったドル円相場は、みるみる円安方向に進み、一時は、30年ぶりの150円越えとなった。 その後は、秋以降にアメリカのインフレ鈍化の兆しが出てきたことから、FRBの金融引締め打ち止め観測が出始め、ドル円相場も10円以上急落する展開となった。 暗号資産のFTXが破綻 年後半で話題になったことの一つに、暗号資産取引所のFTXが破綻したことがある。このFTX、暗号資産業界では後発なが...