1月23日に岸田総理が通常国会で施政方針演説を行った。その中で「こども・子育て世策」として「従来とは次元の異なる少子化対策」を実施すると表明した。
この話を聞いて思ったのは、暴論にも聞こえるかもしれないが、「少子化対策なんてどうでもいい」ということだ。
今から少子化対策をしても無意味
まず現実的な話として、”今から少子化対策をしても遅い”というのが現実だ。
この話は、10年ほど前に出版された以下の本で指摘されていた。
子供を産む女性の数が足りない
そもそも論として、既に出産適齢期の20歳から35歳の若い女性の数が足りなくなっている。今年、成人式を迎えた20歳の若者は、110万人だ。半分が女性なので60万人しかいない。10年間で、600万人だ。この女性たちが、仮に今の出生率の1.3より大幅に高い2人の子供を産んだとしても1200万人だ。
一方でこれから30年程の間は、毎年150万人程度の日本人が亡くなる予想だ。つまり10年で1500万人の人口が減る。
実際の合計特殊出生率は、1.3程度なので生まれる子供の数は、10年で780万人程度。実際は、若者の数かこれから激減するのでもっと少ないだろう。となると雑な想定としても10年で1000万人弱の人口が減ることになる。
仮に少子化対策が成功して、出生率が大幅に高まったとしても、”人口の減少を止めることはできない”のだ。
子供が大きくなるのに30年かかる
仮に出生率が大幅に高まったとしても、その子供が大きくなるのには時間がかかる。最近は大半の子供が大学に進学するため、実際に働き納税するまでには”30年”はかかるだろう。
今から子供が増えても”もう遅い”のだ。
最後のチャンスは20年前
日本の人口には、来年2024年に全員が75歳以上になる”団塊の世代”と、その子供世代の”団塊ジュニア”世代という人口の大きなコブがある。日本の急激な高齢化の原因は、この”人口のコブ”の影響だ。
そして日本の人口の減少を止める最後のチャンスは、今50代になろうとしてる団塊ジュニアが20代〜30代だった20年前だった。いまから頑張っても遅いのだ。
子育て対策と少子化対策は別
少子化対策では、”子育て対策”と”少子化対策の混同が見受けられる。よく”大学の無償化”の話題が取り上げられるが、これは、既に子供がいる家庭に対する子育て負担軽減の”子育て対策”だ。
しかし、既に子供がいる家庭を支援しても”子供の数が増えるという保障はない”。今、子供のいる家庭は、仮に経済的に苦しくても子供を持つだろう。子育ての経済的負担にクローズアップが集まるが、例えば経済的に余裕のある富裕層が”平均より子供が多い”訳ではない。求められているのは、子供を持たない人に子供を持たせる政策だ。”子育て対策”が”子供の数の増加”に繋がっている証拠はない。
また必要なのは、高度な教育を受けたエリートではなく、トラックの運転手やAmazonの配送員、弁当工場の工員や介護施設の介護士だ。要は、”質ではなく数”なのだ。
人口維持には大量の移民以外に方法なし
既に子供の数を増やすには手遅れだ。もし仮に今の経済規模を維持したいのなら、「大量の移民」を受け入れるほかない。その数は、最低でも10年間で1000万人以上、年間100万人程度は必要になる。2022年の日本の外国人は246万人程度だ。今の最低4倍の外国人労働者が必要になる。
世界的に高齢化が進んでいて、移民の取り合いになっている。既にカナダやドイツなどを中心に欧米諸国が、医療介護人材として大量の外国人労働者を受け入れている。実際に2020年にイギリス手最初のコロナワクチンを接種した看護師は、フィリピン人看護師だった。また昨年サッカーのワールドカップの開かれたカタールや、ドバイなどの湾岸諸国は、人口の9割近くが移民だ。
しかし日本語というハードルがある上に、外国人嫌いの日本人が、1000万人単位の移民を受け入れられるか大いに疑問だ。また昨今の円安でも分かる通り、多くの外国人にとって、日本は”稼げない国”になりつつある。
賢く縮小する以外にない
手遅れの少子化対策に無駄な時間と金を使うくらいなら、最小限の負担で今の日本を長持ちさせることに力を集中したほうがいいだろう。
こう考えると経済規模が縮小する日本が、現在の状態を維持するのは”不可能”だろう。実現不可能な対策などサッサとあきらめた方がいい。あとは”賢く縮小”する以外に方法はない。
定年廃止で70歳まで現役
外国人労働者を受け入れないとなると、急激に減少する労働者を補うためには、今いる人間で対応するしかない。使える人材は、”高齢者”と”女性”しかいない。実際に、60歳の定年を廃止し、女性の労働力化をさらに進めれば、2050年まで現在の労働力を維持できるとの試算が政府からなされている。
IT化・省力化
日本経済は、世界的に見て、特にサービス産業の生産性が低いことで有名だ。IT化、ロボット化をさらに進める余地は大いにある。幸いに日本には、今のところ”巨額の貯蓄”がある。資金的にも問題ない。
田舎を捨てる
省力化、効率化を進めて、少ない人間で社会を維持するためには、戦後に野放図に拡大した社会基盤を縮小する必要がある。電気やガス、水道などのインフラの現状での維持は不可能だ。郵便局網や携帯電話の基地局なども、需要の少ない地域に関しては縮小すべきだ。過疎化の進んだ地域は、思い切って切り捨てるべきだ。
将来の日本なんて、どうでもいい
私自身は、既に50代に入っている。年相応のメタボ体系で、取り立てて健康と言うわけでもないし、長寿の家系でもない。多分80歳ぐらいまでには、この世ともおさらばだ。それまでの残された2,30年を快適に過ごせればいいと思っている。
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