2022年も年末が迫って来た。ということで、月並みながら今年の相場の回顧をしてみたい。
結論から先に言うと「常識の範囲内」と言うことになる。
FRBの利上げで株価下落
今年の相場の流れを決めたのは言わずもなく「FRBの利上げ」だろう。既に2021年の半ばから、アメリカでは強い物価上昇が始まっていた。そして、そして年明けに勃発したロシアによるウクライナ侵攻で、世界的な物価上昇が決定的となった。
40年ぶりの10%近い物価上昇を受けて、3月からfRBが、事前の予告通り「連続利上げ」に踏み切った。
あとはご存じの通りで、それまでコロナ禍を物ともせず「爆上がり」していた米株を中心に、株式市場が総崩れの展開となった。また、通常は株価と逆相関になると言われていた債券も大暴落。ほとんど全てのアセットクラスが下落(暴落)する展開となった。
GAFA大暴落でレバナス爆死
FRBの利上げに伴い、これも教科書通りに、ハイパーグロスのGAFA株が暴落した。これも「極めて教科書通り」の展開だった。金利が上がれば、株価の割引現在価値は大幅に下がる。特に将来の成長期待で買われているNasdaq株は当然のことながら大きく下落する。まさに投資の教科書の1ページ目に書かれている内容だ。
これに伴いコロナバブル以来、SNSなどで持て囃されていた「レバナス」などのレバレッジETFは、軒並み爆死することになった。またカリスマファンドマネージャーに率いられ、テスラ株への収集投資で知られるアークインベストメントなどのファンドも軒並み暴落した。カリスマは唯のバブルのあだ花のピエロであることが判明した。これも過去のバブル相場では、良くある話だ。
日銀指値オペで超円安相場
このFRBの連続利上げにも拘わらず、我が日本銀行は黒田総裁の指揮の元、異例の「連続指値オペ」を実施し、超円安が確定的となった。年初115円台だったドル円相場は、みるみる円安方向に進み、一時は、30年ぶりの150円越えとなった。
その後は、秋以降にアメリカのインフレ鈍化の兆しが出てきたことから、FRBの金融引締め打ち止め観測が出始め、ドル円相場も10円以上急落する展開となった。
暗号資産のFTXが破綻
年後半で話題になったことの一つに、暗号資産取引所のFTXが破綻したことがある。このFTX、暗号資産業界では後発ながら、有名スポーツ選手を起用した派手な宣伝で、最近業容を急速に拡大して居た。また地球温暖化問題や政治への巨額の献金などでも話題になっていた。
しかし、破綻してみると、稚拙な管理体制や、ずさんな資金流用など、「ただのバブル」だったようだ。
過去においても2000年のエンロンなど、スターが登場する時は要注意だ。今回も過去の経験や常識通りの展開だっただけだ。
最後のトリは日銀のYYC修正
2022年の最後のトリを飾ったのは、日銀のYYC修正だった。従来の0.25%の指値オペ上限を0.50%に拡大(加減もマイナス0.25%からマイナス0.5%に拡大)した。
日銀によるYYC政策の修正は、夏以降に債券市場、特に公募地方債の発行条件が、10年国債から大幅に乖離し、実質的に0.5%越えとなっていたことを受けてのようだ。
いくら「日銀がお札を刷れる」と言っても、インフレ下ではYYCのような構造的に無理な政策を維持することが不可能なことが証明された。
市場では、事前の予想に反する不意打ちの政策変更をした黒田総裁を「市場との対話が出来ていない」と非難する人も居るようだ。ただ総裁任期満了を控え、次の新総裁が利上げをしやすいように、「最後に地ならしをした」という点では、最後まで責任を全うした行動とも思える。
この実質的な利上げを受けてドル円相場は、一時130円台まで円高方向に進んだ。
結局は教科書通りの展開に
こう眺めてみると「利上げで株安」という正に「教科書通りの展開」だったことが分かる。今年も色々な話が相場では出ていたが、結局は「常識の範囲内」だったという身も蓋もない展開だった。
コロナ・バブル相場で初めて投資や資産運用に取り組んだ人にとっては、散々な「苦い経験」になったかもしれない。しかし教科書通りの展開だったことから分かる通り、SNSなどの出所不明の情報より、日ごろからの地道な勉強や知識、過去の経験がモノを言った1年だった。
今年の苦い経験を糧に投資継続を
既にSNS上では、コロナ禍で一時的なブームになっていた「FIRE」を「卒業」する人も出始めているようだ。しかし、せっかくの今年の貴重な経験(利上げは通常10年に一度ぐらい)を無駄にするのは勿体ないように思う。
是非とも少額でもいいので、地道な投資を継続してほしい。
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