なぜかお金が増え続ける
セミリタイア・FIREした多くの人が経験しているようだが、FIREするとお金に関して不思議なことが起こる。それは収入がないにも拘わらずお金が減らない(増える)ことが結構あるのだ。
自分に関しても、既にセミリタイアしてから5年以上が経過しているが、お金が減らないどころか「増え続けている」。株式市場などが好調という面もあるが、一番の理由は「社会保障費と税金」だ。
分離課税マジック
セミリタイア・FIRE民の多くが株式などで資産運用しているだろう。そうすると税金は基本的に「分離課税」となる。確定申告しないと20.315%の税金を取られるが、そもそも利食わなければ、税金自体がかからない。所得税ゼロだ。住民税も均等割りが掛かるだけだ。
住民税非課税マジックで国保減免
所得税が掛からないと当然住民税も殆どかからない。そして住民税非課税世帯となると、国民健康保険の保険料が「減免」になる。住んでいる自治体にもよるが、多くの場合「7割減免」だ。大体年間で2,3万円程度の負担で済む。サラリーマン時代だと収入の5%程度の国保を天引きされるし、もし自営業で普通に働いて国民健康保険に加入すると、最低でも20万円弱の国保が取られる。知り合いの自営業の場合、家族分も含めると年60万円近く国保の保険料を払っているそうだ。こう考えると、住民税非課税の恩恵は、家族構成にもよるが、かなり大きい。
NISAにiDeCo
FIREセミリタイア民の多くが使っているNISAとiDeCo。主な収入源が資産運用となった場合には、当然フル活用することになる。特にiDeCoに関しては、毎月の積立金が社会保障費扱いになり、所得控除の対象になる。フルに活用すれば年80万円以上、課税所得を圧縮できる。
当然、NISAに関しては、収益に分離課税の20.315%の税金がかからない。このNISA枠がどうも倍増+恒久化されるらしい。すばらしい!目一杯活用しよう。
自営業の場合には共済も
もし副業で、それなりに収入がある場合には、更に小規模企業共済などの共済を使うと更に課税所得を圧縮できる。自営業の場合には、倒産防止共済などを組み合わせると、所得にもよるが「夢の非課税世帯」になれるかもしれない。
年金受給開始後が問題
今後の課題としては、年を取って本格的に年金の受給が始まった時の税金と社会保険料の負担だ。年金は多ければ多い方がいい様に思われがちだが、年金額が増えると国保(高齢者医療制度)の負担も増える。よく聞く話だが、年金の受給開始を70歳にして年金が増えて喜んでいたところ、国保の保険料が増えて、思ったほど手取が増えなかったという話はよく聞く。65歳から受給していた方がよかったと後悔しても後の祭りだ。
基準総所得金額
国保の保険料を考えるうえで重要なのが、国保の保険料の基準となる所得の種類だ。実は国保の保険料に関しては、税とは別の基準が用いられている。基準総所得金額と呼ばれるものだ。この基準総所得金額を計算する上では、原則として基礎控除(43万円)と年金控除(65歳以上は110万円)以外は認められていない。社会保障費や医療費控除、扶養控除などをする前の金額になる。国年や厚年だけの場合には問題ないかもしれないが、大企業のサラリーマンOBなどで企業年金が出る場合には、注意が必要かもしれない。いくらNISAやiDeCoで節税したつもりになっても、所得がある程度あると国保はガッツリかかることになることもある。
不動産投資で減価償却
一つの対策として考えられるのが、「不動産投資による減価償却費」の計上だ。不動産所得で赤字が発生した場合には、年金所得と損益通算可能だ。私が住んでいる市役所に確認したところ、不動産所得で発生した赤字を、他の所得と通算して国保の計算をするとのこと。つまり赤字にして年金と損益通算すれば、基準総所得を圧縮可能だ。
注意点としては、事業規模に達していない場合には青色申告控除や専従者給与控除などは利用できないのであしからず。ただ目的が節税ではなく、国保の保険料圧縮なら問題ないはずだ。
事業所得で赤字計上
不動産所得と並んで考えられるのが「事業所得で赤字計上」だ。もし副業などで、ある程度事業として疎明可能なら、事業所得で「赤字計上」もありだろう。
実際にセミリタイア・FIRE民の多くがブログやYoutubeなどで開業している。収入規模にもよるが、パソコンやネット関連の費用、書籍や旅行費用なども「経費計上」している人は多い。ほとんど趣味の延長でも、継続して事業として行っている体裁を取っていれば問題ない(はずだ)。
制度改正に要注意
今後の注意点としては、政府の制度改正だろう。特に「金融所得の総合課税」が導入された場合には、株などの金融資産からの収入が「総合課税」の対象になる。そうなると自動的に「国民健康保険の保険料」も上がってしまう。
ただ金融所得と違い、不動産や事業所得に関しては、経済への影響が大きいことから、抜本的な制度改正は行われないだろう。今まで通り経費計上可能だと思われる。
出来れば事前にいくつか、不動産投資や副業を手掛けておいて、金融所得に過度に依存しない体制を準備をしておくのがイイかもしれない。
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