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ビットコインが暴落して狼狽している時に読む話・・・ビットコインの正しい楽し み方

ビットコインが暴落している。2021年11月に日本円で700万円台を付けた後、2022年に入り急落、ついにドルベースで2万ドルを割り込む(日本円で250万円割れ)まで大暴落している。高値からの下落率は実に70%越えだ。暴落を受けて狼狽している人も多いだろう。実は私も少々ながらビットコインを保有している。そこで今回は、ビットコインの正しい楽しみ方について考えてみたい。

ビットコイン破綻論はそもそも勘違い

ビットコインが暴落すると必ず出てくるのが「ビットコインは破綻する!!」というヒステリックな意見だ。以前にもTwitterの有名人が同じようなことを言っていて、私も論争にちょっとだけ参加した。

ビットコインの仕組みをある程度理解している人なら分かるはずだが、ビットコインが”破綻”することは原理的に(ほぼ)あり得ない。なぜならビットコインとは”只のP2Pネットワークのデーターベース”だからだ。データーベースに破綻もなにもない。負債のある大手金融機関や、(場合によっては)政府や中央銀行も破綻する可能性はあるが、”データーベースが破綻する”ことは原理的にありえない。皆さんの家にあるパソコンが”破綻”とか”破産”したことがあるだろうか。故障はしても債権者や裁判所から追いかけられるような”破産”はしたことがないだろう。

ビットコインが無くなることはない

ブロックチェーンを維持しているマイナーがいなくなったらどうするんだと心配している人も居るかもしれないが、マイナーが”ゼロ”になる事は、(少なくとも)私の生きている間は絶対にありえない。なぜなら、もしビットコインのマイナーがいなくなった暁には、「私が最後のマイナーになってブロックチェーンを維持する覚悟」だからだ。そしてマイニング益を独占するのだ!インターネットに繋がったパソコンが一台あればビットコインのブロックチェーンは維持できる。実際に2009年にビットコインが誕生してから約1年程はビットコインのノードは(世界に)一つしかなかった。

原理的にビットコインが無くなる可能性があるとすれば、インターネットが無くなった時だろう。実際に今回のロシアによるウクライナ侵攻では、ロシア国内からのブロックチェーンへのアクセスが遮断されて、ハードフォークが発生した。ただこの場合にでも、ネット遮断以前のブロックチェーン自体は、ロシア国内のブロックチェーンにも(一応)引き継がれているはずだ。

また太陽フレアや核戦争などが発生して、世界的なインターネット網が壊滅した場合や、電磁パルスで世界中の電子機器が全て破壊された場合には、当然ビットコインは消滅する。ただそんなことが起きれば既存の法定通貨も無価値になるだろう。

ビットコインは一度も落ちていない

ビットコインの特筆すべき点は、2009年の稼働以来、「初期のバグによる障害以外は一度も落ちていない」ということだ。みずほ銀行の度重なるシステム障害を思い出すまでもなく、既存の金融機関と比べても、これは特筆すべき記録だ。勘違いしている人が多いが、「ビットコインがハッカーに盗まれた」というのは、暗号資産取引所のシステムがハックされただけだ。2009年に稼働して以来13年が経過しているが、ビットコインのブロックチェーンは(私の知っている限り)一度も停止していないし、ハックもされていない。当初懸念されていたP2Pシステムへの懸念を物ともせずに動き続けている。これは凄いことだ。

不換紙幣がある限りビットコインは存続する

そもそもビットコインの誕生の切っ掛けは、2009年のリーマンショックの際に、中央銀行が無制限の信用供給を行ったことだ。本来であれば、国債などの安全資産を担保に厳格に発行額が制限されていた不換紙幣(通貨)が、QQE(量的緩和)政策のもとで、破綻寸前の大手金融機関を救済する目的で(ほぼ)無制限・無節操に発行された。金融システムの維持が金科玉条の様に掲げられたが、不良債権の山を作った金融機関の経営者の責任は全く追及されなかった(場合によっては巨額のボーナスが支払われた)。この権力者たちの重大なモラルハザードに対するアンチテーゼがビットコインの本質だ。中央銀行総裁や大統領、政治家や投資銀行の経営者などのスーパーエリート層が通貨の価値を自在に操り庶民から富を収奪するのを防止するために生み出されたのが、改変不可能なブロックチェーンを中心としたシステムだ。この意味から、不換紙幣がこの世の中から無くならない限り、ビットコインが無くなることはないだろう

CDBCが導入されるまでビットコインは存続する

将来ビットコインが”無価値”になる事はあるだろうか。私はその可能性は多少あると思っている。一番可能性があるのが、”デジタル・ドル”や”デジタル人民元”などの所謂”CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)”が将来発行された場合だ。世界中でスマホで利用出来る中央銀行発行のデジタル通貨が流通し始めれば、世界中の資金が殺到し、ビットコインはその役目を終えるかもしれない。しかしCBDCの導入は相当ハードルが高い。

まず考えられるハードルはプライバシーへの懸念だ。CBDCの場合、ブロックチェーンを中央銀行が独占する可能性が高いことから、当然プライバシー保護への強い懸念が予想される。なにしろ決済や送金情報が全てガラス張りになるからだ。またウォレットの登録に当たっては、当然ながら厳格なKYC(本人確認)が要求されるだろう。非合法取引を含む国際的な資金をどれだけCBDCが誘引できるか不透明だ。

またCBDCが実用化されると、既存の銀行などから大規模な資金流出が起きる恐れがある。スマホのウォレットで資金が保管出来るようになれば、既存の金融機関に口座を開く必要はなくなる。また世界中で決済に利用できるようになれば、VISAなどのクレジットカードも、ほとんど不要になるだろう。下手をすると既存の銀行のATMなども含むシステム全体が”不要”になる可能性がある。そして既存の金融業界は壊滅的な打撃を受けることになる。ウォール街の持っている政治力を考えると、このショックが政治的に近じか許容されるとは思えない。

最後にCBDCに残るハードルは、各国が”通貨主権”を手放すか?だ。もしデジタル・ドルが発行されて国際的に開放された場合には、円やユーロ、ポンドや人民元などから大量の資金流入が起きる可能性が高い。そうなると各国の政府と中央銀行は金融への統制権を一気に失う。国家主権の重要な一部である通貨の管理権を主要各国がやすやすとあきらめるとは考えずらい。

ビットコインは野球カードのようなもの

では暗号資産マニアのグルが唱えている様に、近じかビットコインが既存の不換紙幣に代わって、世界中で使われるようになるかと言うと、そんなこともないだろう。今のビットコインを中心とする暗号資産には、利点も多いが欠点も多い。特に決済スピードやウォレットの使い勝手など、一般庶民が気軽に使うにはまだ”ハードル”が高い。ジワジワと認知度が広がるとは思うが、匿名性が求められるネットでの決済を除き一般の決済で頻繁に使われるとは思わない。私はイメージとしては、”プロ野球カード”みたいなものと考えている。一部の人たちの間では絶大な人気と価値を持っているが、一般人は無関心というところだ。

WEB3.0への過大な期待は禁物

昨年は暗号資産界隈では”NFT”が流行した。そしてWEB3.0という用語も一般的化した。なにやら暗号資産関連で凄いことが起きると、内容も良く分からず期待している人も多いだろう。たしかに今後数年で、今までのGAFAMなど巨大プラットフォーム中心のWEB2.0から、ある程度置き換えが起きる可能性はある。しかしまだその見通しは不明瞭だ。私はWEB3.0をP2Pベースの分散化されたネットワークが主流になることだと理解しているが、既存のTCP/IPとの関係や基礎となるアプリケーションなどは、まだ出来ていない。メタバースに期待している人も多いだろうが、GAFAMを駆逐するほどのイノベーションが来年あたりに起きる可能性は(今のところ)低い。過大な期待は禁物だ。

スペースXが面白い

暗号資産に関して、今、私が一番関心があるのが、スペースXがウクライナで展開して有名になった衛星インターネットシステムのスターリンクだ。今のインターネットでは、国家が一応ネットの統制権を握っている。一見自由に見えるネットだが、海外と無ばれた海底光ファイバーケーブルは、それほど多くない。(日本を含む)主権国家は、光ファイバー回線を何時でも遮断できる。技術が進歩したことから、暗号資産関連の通信だけを遮断することも技術的には可能だろう。だが、もしスターリンクが世界的に普及した場合には、既存の国家がインターネットへのアクセスの統制権を失うかもしれない。そうなれば、ビットコインなどの暗号資産への統制も難しくなる。

ビットコインとの正しい付き合い方

私は、ビットコインとの正しい付き合い方は、「野球カード」みたいな感じが正解だと考えている。または押入に仕舞っておいた昔のアイドルのブロマイドや写真集が意外な高値で売れる感じだ。少し持っておいて、あとは忘れてしまうのだ。10年後に見直したら結構な高値になっているかもしれない。もちろん”まったくの無価値”になって居るかも知れない。そのぐらいのスタンスが正しい方法だと思う。

ただ同時にビットコインを中心とする暗号資産の技術は、無視するには余りにも革新的な技術だ。ビットコインのグルたちが唱えている様に、人間社会を一変させるインパクトを持っている。人生一発逆転を狙って資産の全てを投入したり、ましてやレバレッジを効かせたりするのは禁物だが、まったく無視するのは余りにも惜しい。

具体的には、余裕資金の1%から5%程度を投入して、あとは忘れてしまうのが正解だろう。

そして、そのぐらいなら夜もぐっすり眠れる。

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