熊本県の高校サッカー強豪校で、チームのコーチによる暴行事件と監督による事件隠ぺい事件が発覚して話題になっている。スポーツ強豪校での暴力行為は、残念ながら正直よく聞く話だ。そして、学校に限らず、会社などの組織が不祥事を隠ぺいするのもよくある話だ。この非人間的で不条理な、「日本型組織の病理」から逃れるにはどうしたらいいだろう。答えはFIRE(経済的自立)だ。
サッカー強豪校での体罰・暴行事件の概要
件の事件は、全国的にサッカー強豪校で有名な熊本の高校で起きた、コーチによる体罰暴行事件の様子を写した動画を生徒がSNSに投降したのがきっかけだったようだ。ここまでは、正直よく聞く話だ。
監督が顔出し謝罪動画を指示
今回の事件が特異なのは、サッカー部の監督が、暴行を働いた生徒だけでなく、何と被害者の生徒にまで集団で「顔出し」謝罪動画の撮影を指示していたことだ。まだ未成年の高校生に、プライバシーに配慮せず、「顔出し」で動画を投稿させるとはどうかしている。
監督と学校は事実を隠蔽
さらに異様なのは、この謝罪動画の撮影と投稿は、あくまでも生徒が「自主的」に行ったと関係者が説明していたことだ。ところが、サッカー部監督が謝罪動画での顔出しを指示していた音声が直後に流出し自体が発覚してしまった。
組織と言う怪物に絡めとられる人々
元々人の集まりである組織には、各々の目的があったはずだ。そして目的が無くなれば、その組織自体は無用になる。ところが組織がある程度存続すると、その組織自体が一つの生き物のように活動し始める。そして組織の存続自体が自己目的化してしまう。本来の目的から逸れても組織の存続を図るために活動し始める。そして組織のメンバーは、言わば組織の「人質」のような存在になる。
組織が自己目的化すると不正が蔓延る
学校だけでなく会社などの組織が、不祥事を隠ぺいしようとするのは、この組織の存続自体が自己目的化した時だ。バブルの時の不良債権に塗れた銀行や、20年以上前にあった食品会社による食品偽装事件から、最近の有名大学での不正まで、閉鎖的な組織での不祥事の隠蔽が後を絶たないのはそのためだ。
加害者自身も組織の人質
今回のようなスポーツ強豪校などでは、高校生である選手の将来もチームの監督やコーチが左右することになる。また親の中には、子供の将来の活躍による経済的メリットに目が眩み、隠ぺいに加担する場合も多いと聞く。また学校自体もスポーツの成績に生徒の募集などが左右されるため、不祥事に見て見ぬふりをしがちだ。そしてコーチ自身も学校と言う組織から抜けられなくなる。
サラリーマンも同じ
それは多くのサラリーマンも同じだろう。住宅ローンを抱えて、多くのサラリーマンが会社に人生を人質に取られている。もし会社と言う組織から離れると、一夜にして生活がままならなくなる。そのためには、自らの立場を守るため、法的に多少グレーでも隠ぺいに走りがちだ。
人間は社会的な動物
何故人は自己目的化した組織の人質になって、不正行為を働いてしまうのだろうか。原始時代には、弱い存在である人間は一人では生き残ることが出来なかった。人は元々血縁関係のある50人程度の人間で集団で暮らしていたようだ。だから特定の集団に所属していないと人は不安になる。この組織から離れる不安感こそ会社や学校に人がからめとられる原因だ。
SNSで対抗しても無意味
今回の事件では、SNSが大きな役割を果たした。スマホで生徒が録音・録画した音声が次々にSNSなどに投稿されて、浅はかな学校関係者の隠蔽が発覚した。この部分だけを見ると、一見、SNSを利用すれば、個人でも不条理な組織に対抗できるようん見える。しかし仮に真実が暴かれたとしても、その後に被害者が救済されるかは別問題だ。
問題解決には組織の解体が必要
そもそもの問題点が、学校という閉鎖組織にあるなら、SNSで真実を暴露しても、その効果は一時的だろう。自己目的化した組織を変えるためには、組織そのものを解体するしかない。この高校のサッカー部のケースなら、サッカー部自体を解体して、参加自由のクラブチームにでもしないと、また体罰やいじめが繰り返されるだろう。
FIRE(経済的自立)で組織を解体しよう
存在自体が自己目的化して、人々を絡めとり人生を飲み込んでいく、この組織と言う怪物から逃れる方法は無いだろうか。近代以前の社会なら、それは不可能だった。しかし現代なら可能だ。その方法こそがFIRE(経済的自立)だ。ある程度のお金と言う経済力があれば、必要な物やサービスは、購入可能だ。余計な人間関係に煩わされることもない。以前だったら特定の場所(村、学校、会社)に依存していた人間関係も、SNSを使えば維持できる。一旦、会社や地域社会や学校などの組織から独立した経済的基盤を構築してしまえば、組織が理不尽な振る舞いを強制しようとした場合には、単純に逃げればいい。そしてFIREする人間が増えてくると、既存の組織自体が解体し始めるだろう。
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