2022年2月末にウクライナに対するソ連の侵略が始まって早50日が経過した。もう2カ月近い。そんな中、我が日本国でも「日本の核武装」を求める意見が一部で出ている。彼らに言わせれば、ウクライナがロシアの侵略を受けたのは、ソ連崩壊後に「核を放棄した」からで、核を持っていればロシアの侵略を受けなかったという理屈だ。しかし核があれば本当に戦争を防止できるのだろうか?私は疑問に思っている。むしろ今回のウクライナ戦争から教訓を引き出すとすれば「核シェルター」の重要性だ。
ウクライナには核シェルターがある
ウクライナ戦争の報道を見て生きて気付いた人も多いと思うが、ミサイル攻撃を受けた首都キーウなどで、多くの市民が地下の核シェルターに避難している。そこで疑問に思うのが、何故ウクライナにはこんなに沢山のシェルターがあるのかと言うことだ。実は、ウクライナでは旧ソ連時代に多数の核シェルターが建設されている。冷戦時代に核戦争を想定して、マンションなどの集合住宅や劇場やスタジアムなどの公共施設の地下には、シェルターが作られている。また地下鉄がある都市では、地下鉄自体が地下100mなどかなり深くつくられていて、こちらも非常時には核シェルターになることを前提に作られている。今回ウクライナ市民が避難しているシェルターの大半は、冷戦時代の核シェルターだ。ちなみに日本の地下鉄で一番深い所にある地下鉄大江戸線の六本木駅でさえ地下42.3mだ。
日本には核シェルターはない
一方で日本の核シェルターはどうだろう。昔、都市伝説で東京の地下鉄有楽町線の永田町駅周辺が地下シェルターになっているという話が、実しやかに語られたことがあったぐらい。実態としては、核シェルターは殆ど存在しない。例えば福島第一原発事故の際にも、政府高官が核シェルターに避難したという話は聞いたことがない。また流石に自衛隊などは、戦争を想定したシェルターを完備していると思いたいところだが実は怪しい。例えば、空軍基地などでは、戦闘機などを敵の爆撃から防護するために、コンクリートで出来た掩蔽豪の中に格納するのが普通だ。しかしGoogleマップなどで新田原や那覇などの航空自衛隊の基地を見ても鉄筋コンクリ―で出来た掩蔽豪は見当たらない。因みに流石に嘉手納や三沢の米軍基地を見ると、戦闘機などを一部掩蔽豪に格納している。
ミサイル防衛システムでは、日本を守れない
北朝鮮などから日本がミサイル攻撃された場合の日本防衛の主力は、所謂「BMD(ミサイル防衛システム)」が担うとされている。そして自衛隊は巨費を投じて最新鋭のイージス艦に搭載したSM3と呼ばれる米国製のミサイル防衛システムを配備している。しかし、かねてから言われているように、このBMDで対処可能なのは、精々数発程度のミサイルだけだ。多数のミサイルが同時発射された場合などには対処不能だ。例えば日本が侵略を受けた場合で、開戦劈頭にレーダー施設などに同時多発的にミサイル攻撃を受けた場合には対処できない。ましてや最近話題になっている極超音速ミサイルなどには、最初から対処不能だ。
日本政府は日本人を守る気がない
第二次世界大戦の際には、あの悪名高いナチスドイツ政府でさえ、ベルリンなどの主要都市に「ブンカー」と呼ばれる鉄筋コンクリートで出来た巨大なシェルターを建設している。また地下鉄もシェルター利用を前提に建設されている場合が多い。英米による空襲の際には、多くの市民が地下シェルターに避難している。
日本では太平洋戦争でアメリカの空襲により市民が100万人近く犠牲になっている。そして広島長崎に原爆が投下された。にも拘わらず日本には、民間人を守るシェルターが全く存在しない。今回のウクライナ戦争に関しても、防衛費の大幅増額や核武装を唱える論調は多く出ているが、核シェルターは殆ど話題にのぼっていない。SNSを検索してみて、与党の政治家で、この話題を取り上げているのは、片山さつき議員ぐらいのようだ。これでは、日本政府は、日本人を守る気がないと言われてもしょうがないだろう。
コロナの次は戦争か
日本では、安全保障の話をすると頭がおかしくなったかと白い目で見られがちだ。官民問わず潜在的な危険が存在していても、事前に大掛かりな対処をすることは、大げさで現実離れしていると思われることが多い。新型コロナ・パンデミックに関しても、10年以上前から専門家の間で対処計画の必要性が議論されていた。しかしお馴染みの先送りで、具体的な対策は見送られていた。更にせっかく事前に準備されていた新型インフルエンザ対策特別措置法などの法律も、実際に行使されることはなかった。今回の新型コロナと同様に、もし近い将来日本が戦争に巻き込まれた場合にも、同じように政府の無為無策が露呈することになるかもしれない。
個人で出来る対策は?
日本政府が全く役立たずだとするなら。個人では何が出来るだろう。もし戦争が起きることを想定するなら、一番は日本から脱出して、戦争の危険の少ないオーストラリアやニュージーランドに避難することだが、実際は非現実的だろう。現実的な実際の対策としては、東京などの大都市から事前に避難(移住)しておくことだろう。何事もそうだが事が起きてから行動していては遅い。新型コロナパンデミックでも、人が密集する大都市の危険性が改めて認識された。地震などの災害、コロナなどのパンデック、そして次は戦争かもしれない次の危機に対処するには、今のうちに東京などの大都市から地方に疎開(移住)しておくことが最善の対処策かもしれない。
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