2月末に始まったロシアによるウクライナ侵略も早いもので2カ月になりつつある。そんな中、衝撃的なニュースが伝わって来た。ロシア黒海艦隊の旗艦である巡洋艦モスクワが、ウクライナ軍のミサイル攻撃で沈没したというのだ。この巡洋艦モスクワの撃沈は、ウクライナ紛争の帰趨のみならず、今後の軍事情勢に劇的な影響を与えるかもしれない。
巡洋艦モスクワ
今回撃沈された巡洋艦モスクワは、スラヴァ級ミサイル巡洋艦の一隻で1980年代に建造された軍艦だ。総トン数は1万トンを超える。武器としては、巡航ミサイルに加えてS300対空ミサイルシステムを搭載しているようだ。比較対象になり難いが、日本の海上自衛隊で言えば、大型の護衛艦と同じぐらいの大型艦だ。
フォークランド紛争以来
ウクライナ軍は、ネプチューンという自国開発の対艦ミサイルで巡洋艦モスクワを撃沈したようだ。対艦ミサイルによる軍艦の撃沈は、1982年のフォークランド紛争以来だ。イギリスとアルゼンチンの間で、南大西洋の島を巡って争われたフォークランド紛争では、イギリス軍の機動部隊に対してアルゼンチン軍がフランス製のエグゾセ・ミサイルで攻撃した。そしてイギリス軍の駆逐艦シェフィールドが攻撃を受け沈没した。
高価な軍事システムが次々撃破
今回のウクライナ紛争の特徴の一つは既存の高価な軍事システムが、小型のハイテク兵器で次々に撃破されていることだ。トルコ製のドローンで敵を発見し、ジャベリン対戦車ミサイルなど小型ハイテク兵器が高価な戦車を次々に撃破しているようだ。そして一隻数百億円は下らない一万トンクラスの巡洋艦が、せいぜい一発数億円のミサイルで撃破されてしまった。
世界の軍事バランスが激変する可能性
ウクライナ戦争で活躍が伝えられている比較的安価な小型ハイテク兵器が世界に拡散すると、米英などの先進国の軍事力が無効化される可能性が出てきている。世界に誇るアメリカの機動部隊でさえ、下手に沿岸部に接近すると、安価な小型ハイテク兵器で撃破されかねない。これまで世界中で自由に活動できたアメリカ軍も将来は自由に行動できなくなるかもしれない。
またハイテク兵器と言えば、これまではアメリカ製が中心だった。今回活躍しているジャベリン対戦車ミサイルはアメリカ製だ。だが今回活躍しているハイテク兵器には、トルコ製のドローンや中国製の民生用ドローンなどが多く含まれている。半導体や高度なセンサーなども民生用で簡単に入手可能だ。グラスファイバー製の機体に芝刈り機の小型エンジンを付ければ、立派なドローンの完成だ。
日本の防衛力も再考の必要か
今回のウクライナ戦争を受けて日本の防衛力も再考が必要になるかもしれない。日本の自衛隊は、これまでイージス艦やF35戦闘機など高価な米国製の兵器に投資をして来た。しかしながら小型のハイテク兵器が有効であるなら、大型の軍艦より小型のドローンやミサイルに投資をした方が効率的に防衛力を構築できるかもしれない。
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