2022年3月28日に日銀が指値オペの実施を通告した。これを受けて円安が更に進んでいる。この記事を書いている時点で、ドル円相場は123円台に円安が進行している。以前、円安を巡って以下の記事を書いたが、これほどのスピードで円安が進むとは正直思ってもみなかった。この円安がどこまで進むかセミリタイアFIRE民の立場で
日銀は金融緩和継続の意思を明示
3月28日の日銀指値オペは、日銀がインフレ率が2%になったとしても現在の金融緩和を継続する意思を表明したものと思われる。少なくとも現在の黒田日銀総裁の任期が切れる来年2023年3月までは、大きな政策変更はないということだ。通貨防衛が必要になる極端な円安や、物価が2桁上昇して国民生活に重大な影響が出るまでは、今の金融緩和が少なくとも1年近く続くことになる。
インフレ税本格導入か
インフレが進んでいるにも関わらず金利上昇が抑制されると、実質金利がマイナスになる。円の価値が実質でみるみる減少していくことになる。一方で巨額の固定金利の負債を抱えている日本国政府は、みるみる借金である国債の価値が減っていく。何もしなくても借金が減っていくことになる。日本国政府の発行している国債の大半は円建てなので、国民から財産を奪って国の借金が実質的にチャラになる。今回の日銀の指値オペ通告は、日本政府と日銀によるインフレ税の本格始動のシグナルかもしれない。
外貨資産が有利に
過去50年近くに渡って、日本では外貨資産への投資は実質的にタブーだった。巨額の経常収支の黒字が続いている状況では、幾ら目の前のリターンが高く見えても、外貨資産は最後は円高でパーになるということが繰り返されてきた。特に平成デフレのここ20年程は、資産を預金で保持した人が一番得をした。ところが今回は様子が異なる。外貨資産の評価益がみるみる増えていく。
日本が普通の国に
実は外貨資産、特にドル資産が有利というのは世界では常識だ。世界の富裕層の殆どが、その資産をドル建てで保有している。なにしろ米国と対立している中国自体が巨額のドル資産を保有しているし、中国の共産党幹部も、自分の資産はドル建てでアメリカの不動産で保有している。今、ウクライナを侵略しているロシア人も中流以上の人々は、財産をドルで保有している。
50年近くに渡って恒常的に円高ドル安が生じていた日本が実は異常だったのかもしれない。その日本も、とうとう普通の国になってきた可能性がある。外貨資産を持っていないとこれからは、みるみるインフレと円安で資産が目減りしていく局面に日本が入ったのかもしれない。
驚くほどの円安の可能性も
問題はどこまで円安が続くかだ。相場なのでどこまで行くかは正直分からない。ただ今後の注目点は、日本の経常収支になるかもしれない。日本の経常収支はリーマンショック後などを除くと約40年に渡って黒字だった。しかし足元では日本の経常収支は資源価格の上昇で赤字基調だ。もし赤字が定着するような場合は、驚くほどの円安も考えられる。1990年代初めの英国のように通貨防衛のために日銀が短期金利を引上げざるを得ない局面さえ想定されるかもしれな。
皮肉なことにセミリタイアFIRE民は安泰
セイミリタイアやFIREを目指して世界の株式などの資産に分散投資しているセミリタイアやFIRE民は皮肉なことに、この円安局面で資産が大幅に増加する可能性がある。新型コロナパンデミックでも皮肉なことに家に引きこもっているFIRE民が有利な状況が出現した。今回の円安でも、従来の他円建の退職金や年金に頼っている、ある意味まっとうな市民がインフレで貧困化して、世捨て人の引きこもりFIRE民が有利な状況が出現するかもしれない。


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