2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵略も早いもので一ヵ月が経過した。当初予想されていた「ロシア軍圧勝」の予想に反してウクライナ軍が意外にも善戦、戦争は膠着状態に陥っている。侵略が始まると同時に欧米を中心にして、ロシアに対して過去に例のない大規模な経済制裁が実施された。ところが一部物不足が発生しているものの、SNSなどで見る限りロシア国内は意外に平静を保っているようだ。意外に思っている人も多いかもしれないが、実はロシアには経済制裁に対抗する隠れた秘密兵器がるらしい。それは「ダーチャ」だ。
ロシアの秘密兵器、それは「ダーチャ」
ダーチャとはよく言えば「農園付きの別荘」。実態は「畑のついた掘っ立て小屋」だ。ロシア人の殆どは、このダーチャを持っているそうだ。元は皇帝が貴族に与えた豪華な農園付きの別邸だったらしい。その後、ソ連時代になり第二次大戦後になると、国が労働者にダーチャを割り当てるようになったそうだ。今では、平日を都会で働き、週末はダーチャで田舎暮らしをするというのがロシアでは一般的になっているようだ。以下のYoutubeチャンネルでは、ロシア人の女性と結婚してロシアに在住の日本人の方がロシアのダーチャを紹介している。
ソ連崩壊後に大活躍
そのダーチャが大活躍するようになったのが、1991年のソ連崩壊後の経済が混乱した時代だ。この時には、激しいインフレが発生、一般庶民の生活は困窮することになった。特に年金を受給していた高齢者は、物価の上昇で一月の年金では、卵一パックも買えない事態に追い込まれていた。
その時、大活躍したのがダーチャだ。多くの一般庶民は、自分のダーチャでジャガイモや玉ねぎ、キャベツなどの野菜を栽培し一種の自給自足生活で乗り切った。また、鶏を飼って卵を採ったり、チーズやバターなどを製造して、自由市場で販売するなどして現金収入を得ていた。ソ連崩壊後の激しいルーブルの下落とインフレにも拘わらず、ロシアで大規模な飢餓が発生しなかったのには、このダーチャによる食糧の自給があったかららしい。
経済制裁であっと言う間に孤立
今回のウクライナ侵略でロシアは再び厳しい経済制裁による混乱に直面している。SWIFTからの除外による厳しい経済制裁で中央銀行の資産も凍結。国際ブランドのクレジットカードが使用できなくなり、海外資産の凍結で輸入もままならなくなっているようだ。またロシアにも多く進出していたマクドナルドやスターバックスなどの国際的な企業もあっと言う間に撤退した。
今回もダーチャで乗り切る
しかしロシアの庶民にはダーチャがある。確かに海外ブランドは手に入らなくなり、海外旅行もいけなくなるかもしれないが、ダーチャで作ったジャガイモと玉ねぎさえあれば食うには困らない。自宅で作ったチーズやバターを市場で販売して、肉や卵を入手することも出来る。一般のロシア人はソ連崩壊後の厳しい時代を生き抜いてきているので意外に冷静なようだ。少なくともSNSで見る限りパニックは発生していない。以下のYoutubeチャンネルを運営しているロシア在住の日本人の方が、ロシア人のダーチャでの食料備蓄を紹介している。
振り返って日本は大丈夫か?
以上のようにロシアの庶民は、いざとなったら自給自足で乗り切る覚悟のようだ。政府がどうなろうが自分と家族は自分で守るというのがロシアの人々の基本的な考えのようだ。
振り返って我が国日本はどうだろう。ロシアは少なくとも石油や石炭、天然ガスなどは自給自足だ。食料に関しても、フルーツやワインなどの一部の高級品を除くと自給可能。逆に日本は、ご存じの通り食料自給率はものすごく低い。またエネルギーの自給率は、殆どゼロだ。おまけに島国のため、海路が断たれれば、一発で食料不足になりそうだ。場合によっては「飢餓」が発生してもおかしくない。実際に江戸時代までは日本各地で「飢餓」が頻発していた。
休耕田をダーチャに活用してはどうか
以前から思っていたのだが、日本で問題になっている「休耕田」をダーチャに活用してはどうか?今や埼玉県の面積に匹敵する農地が休耕田になっているらしい。その田んぼや畑を都会の人間の農園付き別荘(「日本版ダーチャ」)に転換して活用したらどうだろう。仕事としての農業だと厳しくコスト管理をして、売れる農産物を作る必要があるだろう。だが自家消費が前提のダーチャなら、一種の趣味なのでコストや見た目は問題ない。
ここでも規制の壁
日本で休耕田をダーチャ化する際の一番の障壁は農地の流動性だ。日本では、農地法で農家以外が農地を持つことを厳しく規制している。農家以外の人間が農地を取得しようとすると地域の農業委員会の厳しい審査をパスしなければならない。その一方で、地域の農家が農地を宅地に転用して販売する場合などには、お手盛りで農地から宅地への転換が行われているらしい。また多くの農家は、バブル時代の地価の高騰が忘れられず、農地を手放すことに非常に消極的だ。ここでも規制の壁が立ちはだかる。
自分でダーチャプラン
ということで今後日本でも食料供給が一時的に滞ったり、場合によっては食糧危機が訪れる可能性があるとすると、自分で「私のダーチャ」を作るしかないかと考えている。
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