2022年2月24日に突如始まったロシアによるウクライナ侵攻。このブログを書いている時点で3日目に突入した。当初は圧倒的な戦力を誇るロシア軍が圧勝すると思われたが、意外にもウクライナ軍が頑強な抵抗を示し善戦しているようだ。大規模戦争を生で見れるのは、そうそうないことなので、備忘録として感想と予想を記しておきたい。
2022月27日時点の戦況
キエフ急襲失敗
ロシア軍は、開戦劈頭ウクライナの首都キーフ(キエフ)北西にある、通称「アントノフ飛行場」を空挺部隊とヘリボーンで急襲し占拠。そのままキエフ市内に突入し大統領府にいるゼリンスキー大統領を捕獲または殺害しようとしたようだ。しかしこの試みは何らかの要因で失敗した模様。空港を確保した後の進撃に手間取りウクライナ側に防衛のチャンスを与えてしまった。現在もウクライナの首都キーフ(キエフ)はウクライナ政府の手にある。
制空権の完全確保失敗
ロシア空軍とミサイル部隊は、開戦劈頭ウクライナの防空網に対して攻撃を実施。多くのレーダーサイトや空港、空軍基地を破壊したとして、ウクライナの防空能力は壊滅したと発表した。しかしながらその後もキエフ上空などで、ウクライナ軍のMiG29戦闘機が目撃されるなど、ウクライナ空軍が活動を続けている模様。またキーフ(キエフ)に対しても散発的なロケット弾や巡航ミサイルによる攻撃はあるものの、本格的な空爆は行われていない。どうやらロシア軍は、完全な制空権の確保に失敗したようだ。
陸上でも苦戦の模様
ロシアの機械化部隊は、開戦と同時に三方向から侵攻を開始した模様。北部(ベラルーシ国境から首都キーフへ)、東部(ハリコフ)、南部(クリミヤおよびロストフ方面)。このうちある程度順調に進撃しているのは、南部の部隊のみのようだ。北部の部隊は、まだ完全にキエフ郊外に到着していない模様。また東部の部隊も主要都市のハリコフを占領していない。もともと電撃戦で主要都市を迂回している可能性が高いが、ある程度の期間で都市部を占拠出来ないと補給が続かなくなる可能性が高い。
ジャベリン大活躍
ウクライナ軍が善戦している要因の一つとして、アメリカが供与した対戦車ミサイルの「ジャベリン」の威力があるようだ。このジャベリンは、旧来からあるTWOなどの対戦車ミサイルと異なり、打ちっぱなしが出来る。またヘッド・アタックモードという戦車を上から攻撃する能力を備えており、歩兵一人で敵の戦車を撃破できる。携帯型の対戦車兵器ながら94%以上の命中率を持っているようだ。
欧米によるかなり強固な経済制裁
当初は腰砕けに見えた欧米の制裁だが、2月26日になり急に強硬路線に転換した模様。理由は不明だが、イギリス、ポーランドに続いてドイツがロシア機の空域通過を拒否。また当初の制裁案には入っていなかった国際的な銀行間送金システムであるSWIFTからロシアの主要な銀行を排除する決定がなされた。さらに驚くべきことに、ドイツがオランダ経由だがウクライナに対戦車ロケットとスティンガー対空ミサイルの供与を決めた。ドイツは紛争国への武器輸出を行っておらず、今回の武器供与は戦後初。
EU諸国が突然強硬な姿勢に転じた理由は不明だが、一時は開戦数時間で陥落すると思われていたキーフ(キエフ)が予想以上に持ち堪えていることや、逃亡すると見られていたゼレンスキー大統領が、首都に止まって決死の覚悟で防衛に当たっている姿がSNSで拡散したことなどが影響したのかもしれない。
NATOは急速に軍を配備
ここに来てNATO軍も急速に軍を配備している。報じられている所では、アメリカ軍に続いて、イギリス軍が、最新型の駆逐艦を東地中海とバルト海に配備。またイギリスの戦車部隊が、バルト三国のリトアニアに前進配備されたようだ。イギリス空軍のユーロファイター戦闘機をはじめとするNATOの戦闘機がポーランドやバルト三国とロシア、ベラルーシ国境地帯上空に張り付いてるのも観察されている。
ロシア軍は補給に問題がある可能性も
今回のウクライナ侵略では、当初は東部親ロシア地域への侵入が予想されていた。実際は、ウクライナ全土への大規模侵攻となったのだが、それにしては兵力が少なすぎる。ロシア軍の陸上兵力は15万から20万人弱程度と推測されているが、フランスより広大で人口4000万人のウクライナを占領するには余りにも非力。ロシア軍が比較的少ない兵力しか動員できなかったのは、補給に何らかの問題があった可能性が高い。
キーフに対する大規模砲撃も
当初ロシア軍は、アメリカ軍のような精密誘導兵器を用いた「カッコいい」作戦を行おうとしたが、見事に失敗したようだ。そうなるとソ連時代からの伝統の「大量の砲兵」を用いた大規模砲撃で敵を殲滅する作戦に転換する可能性が高い。その場合、特に都市部のキーフ(キエフ)やハリコフなどに対する大規模砲撃が行われ、一般市民に多数の犠牲者が出ることが予想される。
スターリングラード以来の大規模市街戦も
今回のウクライナ戦争の情報を見ていて、キーフ(キエフ)などの都市部で、多くの市民が「シェルター」に避難していることに気付いた人も多いはずだ。もともとソ連の一部だったウクライナでは、都市部の主要なビルだけでなく、ホテルや一般の団地などにも核戦争に耐えられるシェルターが備え付けられている。またソ連時代に建設された「地下鉄」も地下100mの深さに建設されており、元々核シェルターを兼ねている。
このような「シェルター」だらけの都市を攻略しようとすると、当然「大規模市街戦」になる。場合によっては1943年のスターリングラードの戦い以来の凄惨な大規模市街戦が今後展開されることになるかも知れない。そうなると犠牲者の数は万単位どころか10万人単位になるかもしれない。
ロシアの王殺しの伝統
まだロシアの侵攻が始まってから3日しか経っていないが、今回のロシアによるウクライナ侵略は、最終的にプーチンの失脚に繋がる可能性もあると考えている。ウクライナでの戦闘が泥沼化し犠牲者が増えてくるとロシアの中にもプーチンに反対するものがでてくるだろう。ただロシアでは、民衆による平和的な政権交代は稀。ロシアにはもともと都合が悪くなると指導者を排除する「王殺しの伝統」がある。経済制裁が長引くとプーチンの取り巻きが、王殺しのクーデターを起こし、あっさりプーチンが排除されるかもしれない。
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