TwitterなどのSNSを暇つぶしに見ていると、最近「レバナス」暴落のtweetがよく流れ来る。レバナスとは、所謂「レバレッジ」をかけたETFや投信の一種ことだ。先に流行しているのは、NASDAQ指数に連動するレバレッジETFで、略して「レバナス」と言うらしい。最近のコロナバブル下で米IT株が急上昇しているのを受けて、投信各社が盛んに売り出していた。このレバレッジETFが、今年に入ってからの株価暴落で悲惨なことになっているらしい。
株式会社はレバレッジが掛かっている
レバレッジETFの話を見ていていつも思うのだが、「株式会社自体がレバレッジを掛けている」ということを知らない人が意外に多いようだ。株式会社自体が、事業をするにあたって「借入」要は借金をしている。と言うことは会社自体が「レバレッジ」が掛かっているのだ。当然レバレッジが掛かっているので、「株価」は、会社の業績に連動し、当然の様に乱高下する。利益や金利の変動に敏感に反応するのは当然のことだ。
レバナスどのレバ投資は、もともとレバレッジのかかっている株に、更にレバレッジを掛けていることになる。要は「2階建てのレバレッジ」が掛かっていることになる。
分かったうえで投資しているならいのだが、どうもSNSを見ていると、その辺の基本が理解できていない人が多いように見受けられる。
レバETFには「隠れコストが沢山ある」
これも散々言われていることだが、ればETFは「ものすごく手数料が高い」。通常のレバEFTでは、信託報酬が1%程度に設定されているようだが、実際にかかる手数料は、この信託報酬だけではない。
レバレッジを維持するためには、常に「ヘッジの調整」が必要になる。通常の投信やETFは、買ったままの単なる買持なので、それほどポジション調整にコストは発生しないが、レバ商品は、指数との連動を維持するためには、頻繁な調整が必要になる。この頻繁な調整の都度、ブローカーの証券会社に手数料を支払うことになる。レバレッジ型の商品は、その特性上「安値で売って高値で買う」オペレーションをすることになるので、その売買コストが蓄積していく。また先物でヘッジしている場合は、通常3ヵ月毎のロールの都度、ロールコストも発生する。
通常ヘッジは丸投げ
最近の流行りは、ヘッジ自体を「外部に丸投げ」しているケースが多いことだ。レバナスなどの目論見書にも、よく読めば記載されているが、「スワップコスト」という項目が記載されている。これは、運用会社自体でヘッジを行うのではなく、ヘッジ自体を外部の投資銀行に丸投げしているという意味だ。運用会社と外部の投資銀行との間で、一定期間ごとに指数の変動の2倍(または3倍)に連動するお金を支払うというスワップ契約を結んでいる(または指数に連動して価格の変動する債券)。この契約にも、もちろんコストがかかる。通常でも1%程度のコストを投資銀行が裏で徴収するようになっている。
また指数ヘッジコスト以外にも、円建て商品の場合には、「為替ヘッジコスト」が加わって来る。どんなに節約しても、日米の金利差分とブローカーの手数料分だけ負担をすることになる。
ちなみに最近は投資銀行のヘッジ自体がコンピューター化されていて、殆ど人が介していない。投資銀行としては、ヘッジ自体は同じオペレーションなので、金額が大きくなればなるほど収入が増えて美味しい商売である。
販売会社は売れば売るだけ手数料
これも既知の話だが、販売会社は、売れば売るだけ「手数料」が入って来る。ノーコストで手数料だけジャバジャバ入って来るので、これほどイージーな商売はない。最近は、高齢者に投信を押し売りする商売が頭打ちのため、新しい手数料の獲得手段として情弱相手にこれほど美味しい商売はないのかもしれない。
長期で見るとコスト負けも
ということで、レバレッジ商品は、表面上の手数料以外に、裏側で「隠れ手数料」をかなり徴収されている。信託報酬1%程度に加えてヘッジコストとして数%の手数料が継続的に掛かってくる可能性が高い。仮に指数の倍の収益が得られたとしても(実際はヘッジコストで得られない可能性が高いが)、年数%の手数料が運用益を蝕んでいく可能性が高い。長期投資の世界では、「手数料と税金を最小化する」ことが、成功への近道というのは有名な話だが、レバ商品は、まさに真逆。短期取引以外で使うのは、やはりお勧めできない。
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