国立感染症研究所から毎年年末恒例(?)の梅毒感染状況が発表された。Twitterでもトレンドの上位に。
この梅毒感染者数の増加に関して10年ほど前から囁かれていたのが「パパ活」の影響だ。
梅毒は昔の病気のはずだった
日本で梅毒が流行していたのは、戦後の時期。この時期は連合軍の占領下での生活苦から、多くの女性が性風俗産業で働いていたこともあり、国内に急激に広まった。
ただその後、抗生物質による治療が普及したこともあり、梅毒の国内感染は下火となり、殆ど消滅状態に。その後も感染者は出ていたが、殆どが東南アジアなどの夜の街で遊んだ中高年男性に患者は限られていた。
21世紀に入り再び増加傾向に
抗生物質が普及したことから梅毒は、昔の病気となっていた。実際に若い医者だと梅毒の症例を見たことのない人も多く、見過ごされるケースも多かったらしい。
その梅毒が21世紀に入り急増し始めた。特に特徴的なのが、若い女性の感染が急増していること。今でも梅毒感染者の多くが男性だが、伸び率で言うと「若い女性」が高いらしい。
某国外国人下手人説
そこでまず言われたのが「外国人下手人説」。当時、隣国のアジア某国からの観光客が急増し始めたタイミングだったことや、アジア某国で梅毒感染が広く見られたことから、外国人に責任転嫁の説が流布していた。
「パパ活」原因説が台頭
ただ、某外国人だけでは、説明しきれないほど特に若い女性の感染者の急増が目立つようになる。そこで出てきたのが「パパ活」原因説。
確かにこの頃から巷では、「ギャラ飲み」や「パパ活」「港区女子」などのパワーワードが聞かれるようになってきていた。
また若い女性の「梅毒」感染数の増加を見ると、2008年のリーマンショック以降急増しているようにも見える。
特に最近は、スマホのマッチングアプリの利用者が急増、以前であれば水商売などに限られていた、若い女性と金持ちのおっさんの接点が劇的に増えた。また、以前なら、おっさんと付き合う若い女性の数は限られていたが、新型コロナの流行で、普通の生活を送っていた多くの女性が、あっという間に生活苦に陥った。若い女性の梅毒感染の理由として、この「パパ活」ルートが注目され始めた。
セックス資本を現金化し始めた女性たち
若い女性が持っている性的魅力を「セックスキャピタル(性的資本)」と呼んだりするらしい。そして世界的には、このセックスキャピタルをどう使おうが、それは女性の自己決定権の範囲内で、他人や国家がトヤカク言う問題ではないとの主張も一部で聞かれる。実際、欧州の多くの国では、売春が合法化されていて、政府の管理下で堂々と営業しているところもある。
一時は、一億総中流と言われ、「世界一成功した社会主義」と揶揄されることもあった日本経済や社会も、バブル経済の崩壊と21世紀に入って急激に進んだグローバル化の波からは逃れられなかった。その結果、従来からあった「正社員・専業主婦モデル」がもろくも崩壊。多くの人々が世界経済の荒波に放り出される事となった。それを一番象徴しているのが「女性の貧困化」だろう。専業主婦と言うセーフティーネットを失った、さしたる能力も才能もない普通の女性達にとって、唯一残された資本が「若い肉体」であったとしても不思議でない。そして今回の新型コロナパンデミックが一層この傾向に拍車をかけたのかも知れない。今回の梅毒感染者の増加はそれを象徴していると思われる。
梅毒は怖い病気
とは言っても、やはり梅毒は怖い病気だ。感染力が非常に高い(コロナの比ではない)うえ、症状に個人差があり、一旦軽い症状が出た後で無症状となり、そのまま潜伏状態で次々に連鎖的に感染を繰り返すことも多いらしい、また治療せず放置していると、最後には体の各所に菌がまわり、特に脳に影響が出るらしい。歴史上の偉人の多くがこの梅毒に感染していたとの話もあり、他人事ではない。
現在は、抗生物質により一ヵ月程度の治療で治療可能とのことなので、性風俗の利用や、不特定多数との性交渉を持ったことのある人、以前、気になる症状のあった人などは、一度検査を受けるのがいいようだ。

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