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全裸監督とFacebookと日本経済

最近、知り合いからNETFLIXプリペイドのギフトカードを貰った。遅まきながらのNETFLIXデビュー。知り合いは、どうも「愛の不時着」という韓流ドラマを見せたかったみたいだが、最初に見たのが話題の「全裸監督」。1980年代の雰囲気がよく出ていて懐かしい気持ちになった。まだ途中だがなかなか面白い。鑑賞中にデジャブのように思い出したのが、Facebookとザッカーバーグを描いた「ソーシャルネットワーク」と、Apple創業者のスティーブジョブズの映画。この全く異なるような映画に意外な共通点があると感じた。

資金調達の違い

この2つの映画の共通点と相違点の一つは資金調達。

全裸監督は闇金で調達

多少ネタバレになるが、「全裸監督」では、山田孝之扮する「村西監督」が、最初の「ビニ本」を制作するのに「一週間で10%の金利」で闇金から資金を借りている。所謂「十一(トイチ)」と呼ばれる暴力金融。何軒も高利貸しを周って、操業資金を調達していた。

Appleはベンチャー投資家

一方、Appleを創業するときのスティーブ・ジョブズは、電子機器の見本市で知り合った、地元のビジネスマンが創業資金を出資している。ジョブズの家のキッチンで資本構成やら、各自の持ち分などを手際よく決めるシーンが出てくる。まさに1970年代の古き良き「シリコンバレー」という感じ。

Facebookは、友達をだまして金を出させる

Facebookでは、ザッカーバーグのハーバードの友達が持っていた、なけなしの1万ドルを、最初のプロジェクトのサーバー代に使っている。その後、すぐにベンチャーキャピタル(多分「ピーターティール」)がついて、巨額の調達に成功している。ちなみに最初のシードマネーを出したハーバードの友達は、騙されて出資分を大半失って、その後に訴訟になっている。このエピソードが未だに影響しているらしく、ザッカーバーグには「IT起業家」というよりも、「狡猾なユダヤ人」というイメージが強いのかもしれない。

日本には効果的な金融システムがない

ここで感じたのがベンチャーを支える効果的な金融システムが日本にはないということ。シリコンバレーならアイデアさえあれば、投資家は簡単に見つかるだろう。また会社の設立や資本構成、知的財産の権利保護など既に標準的なノウハウが蓄積されていて事が迅速に進む。

方や日本では、国金とかの公的機関を除くと、次は「商工ファンド」。あとは「闇金」や高利貸しぐらいしか「リスクキャピタル」の供給源が存在しない。また当然のように「経営者の連帯保証」を求められるので、起業はまさに「命がけ」失敗したら命と引き換えで生命保険の「保険金で返済する」ようなことが未だに行われている。

カルテル体質の日本と競争社会のアメリカ

その後の話の展開は、ネタバレになるので控えるとして、日本とアメリカのビジネス環境の違いがコントラストになっていて面白い。「全裸監督」というと「アダルトビデオ」がテーマで、何でもありの無法地帯の様に思えるが、実際には、警察などの行政の介入があり、また業界内でも「カルテルまがいの行為」が横行している。方やFacebookやAppleのほうでは、アイデアの剽窃や裏切りが横行しているが、基本的には「最初にやったもん勝ち」で、政府による介入は全くと言っていいほどない。なんでも有りの無法地帯という点では、日本のアダルト業界とシリコンバレーのIT業界は、似ていないなくもないが、カルテルと政府の介入という点でコントラストをなしている

談合が大好きな日本人は、グローバルスタンダードにはなれず

Appleが初代マッキントッシュを発売したのが確か1984年。その時のCMでは、当時流行していたジョージ・オーウェルの「1984」という全体主義を描いた小説がモチーフのCMが流された。Appleが巨人IBMに挑戦するという内容。「全裸監督」で描かれているのと同じ時期だ。

当時は、日本経済はイケイケのバブル経済の黎明期。日本経済がアメリカを追い抜くと言われていた時期だ。一方、巨額の財政赤字と貿易赤字の「双子の赤字」を抱えていたアメリカはもう終わったと言われていた。その後の展開はご存じの通り。アメリカがITで復活すると同時に日本ではバブル崩壊が発生して「失われた10年」(当初は10年だった)が始まった。

結局、「談合」が大好きな日本人は、グローバススタンダードにはなれなかった。最後に勝者となったのは、結局「競争」を厭わないアメリカだった。

日本でもDMMが今や大企業に

その日本でも救いがないわけではない。例えばDMM。元々この会社は、北陸のただのアダルトビデオレンタル屋だったらしい。それが今や日本を代表するメディア企業に成長してしまった。ただ、AppleやFacebookのようにグローバル展開できるかと言うと無理だろう。

また現在日本で一番普及しているアプリの一つ「LINE」は、もともと韓国企業が開発したもの。日本人自身が開発したものではない。

まとめ

結局、ガラパゴスから脱することが出来なかった日本。村社会から脱出するのは、今後も難しそうだ。

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