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竹中平蔵版月7万円ベーシックインカムを積立投資に廻すと1億円越えも余裕 か?

台風12号が通過で天気が悪いので引きこもってネットを見ていたら、竹中平蔵氏がBSの番組で発言した「月7万円ベーシックインカム論」が炎上していた。

折しも敬老の日のブログで「公的年金は持続不可能」で「将来、ベーシックインカムへの移行は不可避」という趣旨の記事を書いたところだった。そこで改めて「竹中平蔵版の月7万円ベーシックインカム」について考えてみた。

月7万円を40年運用すると1億円越え

まず考えたのが、もし私が現役世代で、月7万円のベーシックインカムを受給出来るようになったらどうするか。答えは一択。「全額インデックス積立投資まわす」だ。

月7万円を5%で40年運用すると1億円越え

エクセルなどで@FV()という関数を使うと、積立投資をした場合の結果が簡単に計算できる。もし40年間、月7万円(年84万円)を5%の複利で運用すると、驚くことに総額1億円を越える。もし夫婦2人で積立投資をすれば、何と2億円越え。もう少し現実的な年利3%で運用した場合でも、将来に投資元本が6千5百万円になる。夫婦2人なら1億3千万円程度。もちろんインフレなどを考慮していなのでこの通りになる保証はないが、それでも毎月7万円を積み立てると老後に相当な資産が出来ることになる。

老後も資産が増え続け100歳で4億円越え

更に驚きなのが老後。20歳から積立投資を40年続けて、60歳でリタイア。その後も5%で運用を続けて年間300万円を生活費として使った場合は、何と「資産が増え続ける」これは老後も月7万円の給付が死ぬまであるから積み立てた資金の運用益が年間500万円以上あるため運用益だけで生活費を完全カバー、更に年84万円の追加投資となることから、資産がどんどん増え続ける100歳まで計算してみたところ、何と元本は4億5千万円ちかくに

もう少し現実的な年3%で運用した場合には、さすがに老後に資産が増えることはないが、それでも100歳時点で4000万円以上の資産が残る計算に。

ネットでよくある誤解

次に「竹中平蔵月7万円ベーシックインカム」プランが、ネットで大炎上している理由について考えてみた。しかしTwitterなどの内容をちょっと見ていると、よくある勘違い(わざとか?)が目につく。いくつか挙げてみた。

厚生年金が廃止される

私は直接番組を見たわけではないのですが、竹中平蔵氏は厚生年金の比例報酬部分を廃止するとは一言も言っていないようです。元々比例報酬部分は、個人の財産権が及ぶ範囲ですので、返還金もなしにいきなり廃止はさすがに無理です。ただ場合によっては、現行の厚生年金の比例報酬部分は、一旦解体されてiDecoのような確定拠出型の年金に置き換えられる可能性は、あると思います・

医療保険が廃止される

この部分も一言も言及していないようです。もともと医療保険は、年金とは別の「保険」です。もちろん医療保険も改革が必要ですが、別物です。これも典型的な混同。

月7万円では暮らせない

このツイートが一番多かったようですが、誰も7万円だけで暮らせとは言っていません。生活保護の場合には、働いて収入がある場合には、その収入分生活保護が減らされますが、UBIではそんなことはあり得ません。自分で稼いだ分に関しては今まで通り税金を払った残りは自分のものになります。誰も7万円だけで暮らすことを強制はしません

誰が困るのか

次に誰が困るのかを実際に考えてみました。もちろん実際の制度設計によって大分違ってくると思いますが、ざっくりした想定です。

国民年金受給者・・・今と殆ど変わらない

国民年金だけで生活している人たちがこの国には2000万人近くいます。平均の受給額は、約5万6千円程度。よくこんな少額で生活できると不思議に思うかもしれませんが、夫婦2人なら13万円弱。持家か都営住宅(家賃5千円)にでも住んでいれば、贅沢は出来ませんが生活可能です。実際に元自営業者や元農家の人たちは、この程度の年金収入で生活しています。もしベーシックインカムが月7万円貰えるようになれば、むしろ収入が少しですが増える計算です。

生活保護受給者

もしフルに生活保護を受給している場合には、受取れる額が半減します。東京都の場合だと生活保護をフルに受給すると月14万円程度が支給されています。特に難病などで全く働けない場合は、別途手当が必要になるでしょうが、これは医療給付など別制度で対応可能だと思います。

問題は、単身高齢者で生活保護を受給している場合です。さすがに持家でも月7万では生きるだけという感じになります。ただしこの人たちは、現役時代に「国民年金を滞納」したか、まったく掛金を払っていなかった人たちです。加えてこの人たちは、医療費が無料、税金やNHKの受信料も無料と、ある意味、現状は至れり尽くせりです。真面目に40年間、国民年金の保険料を支払った人たちが月6万円弱で生活していることを考えると、月7万円で生活してもらうのもある意味、自業自得と考えるのは酷すぎるでしょうか?私は国がそこまで面倒を見る必要はないように思えます。

サラリーマン・・・今とあまり変わりないか

私たちサラリーマンの場合は、どうでしょうか。実は現状とあまり変わらないと思います。月7万円給付がされますが、所得からは現状と同じか少し多いぐらいの税金がとられることになると思います。既に普通のサラリーマンは、所得税と社会保障費をガッチリ天引きされていますので、差引では、ほぼ同じという結論になると思います。

ただしUBIの導入と同時に、2階部分の厚生年金も廃止される可能性があります。この場合厚生年金の今まで支払った掛金がどうなるかが一番の問題です。当然、国から何らかの形で一旦返還されると思いますが、もし政府が没収するとなると大問題になる可能性があります。

自営業者・・・国民年金を掛ける必要がなくなり楽

将来国民年金を受給する自営業者の場合には、今自分で毎月支払っている掛金を支払う必要がなくなります。ある意味「楽」になると思われます。老後に受け取れる金額も「今の国民年金」とほぼ同じになると思われます。

確信犯的な年金未納者

国民年金の対象者のうち約半分は年金未納者と言われています。経済的な理由で払えない人も居るかと思いますが、中には、老後は生活保護を受給すると言って確信犯的に意図的に未納にしている人が相当数いると言われています。国民年金の未納者は老後はフルの生活保護を12万円から14万円程度貰えると想定しているのでしょう。多分一番困るのは、この確信犯的年金未納者。もし竹中UBIが導入されれば、残念!月7万円しかもらえません。こういう人は、若いうちの7万円も浪費してしまうでしょうね。こういう人を生活保護で救う必要があるのでしょうか?私はないと思います。

つづく

ベーシックインカムの話題は、これ以外にも「財源」や諸々の制度設計、税制との絡みなどとても興味深い。その辺のところは続きで書いてみたい。

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