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日本は、社会主義・・・村上ファンドのニュースを読んで

ネットニュースを読んでいたら旧「村上ファンド」の記事が載っていた。今は、シンガポールを拠点に投資活動をしているようだ。記事を読んで改めて思ったことは「日本はいまだに社会主義」だということ。

日本経済低迷の原因・・・日本社会主義説

バブル経済崩壊以降、特に21世紀に入ってから日本経済の低迷が際立っています。世界経済は、中国とアメリカを中心にグローバル化が進んで成長を続けましたが、一人日本経済だけが低成長を続けました。

その理由の一つとして言われていることの一つが「日本社会主義」説です。もともと官僚の統制力の強い日本経済を表す言葉として「世界で最も成功した社会主義国はソ連ではなくて日本だ」というジョークがありました。

その「日本社会主義」の原動力となったのが、官僚による経済・社会の統制と大企業の株式持ち合いです。

1940年体制による国家経済統制

官僚による経済・社会の統制は、経済学者の野口悠紀雄先生が「1940年体制」という著書で名付けたように、主に太平洋戦争中に「国家総動員体制」として整備された制度や法律が戦後も生き続けたものです。特に法律に基づかない「行政指導」による経済への介入は世界的にも有名です。

株式持ち合い・・・もう一つの国家経済統制

IMF8条国への移行がきっかけ

そしてもう一つの柱が、記事の中で村上氏が批判している「株式の持合」です。元々は、1960年代に日本がIMFの8条国に移行際に、資本市場の自由化を求められたことが発端と言われています。8条国になると、外資に対して「資本市場」を開放する必要が生じます。当時外資による企業の「買収」「乗っ取り」を恐れた日本企業の経営者たちは、お互いに株式を持ち合うことうや、メインバンクに株式を保有してもらうことで、外資による買収に対抗しようとしました。こえが所謂「持合経営」です

ガバナンスが効かなくなった日本企業

この「株式持ち合い経営」は、高度成長期の日本経済では、株価を意識しない「長期的な経営」と労使協調路線の安定した経営をもたらし、日本的経営の象徴と言われました。一方で、大企業の経営者が、会社の本来の所有者である「株主」を軽視し、ただのサラリーマンにすぎない経営者の独断専行による経営を許す下地ともなりました。

アメリカから批判が出るも抵抗

1980年代に入ると日米経済摩擦問題の一つとして、アメリカ政府から度々「持合制度の解消」を求められました。アメリカの買収ファンドのブーン・ピケンズが、トヨタ自動車の系列会社の「小糸製作所」をTOBで買収しようとしたりしました。しなしながら当時「世界第二位の経済大国」を誇っていた日本企業と政府は、これに激しく抵抗して、持合制度は維持されました。

バブル経済の要因の一つ

株価に一喜一憂しない「長期的な経営」と「安定的な労使関係」に代表される「日本的経営」を支えた「株式持合い制度」ですが、一方バブル経済の要因の一つとみられています。当時、株価や株主を気にする必要のない一部の企業経営者達が、自分の支配欲や、はたまた名誉欲から、無謀な投資に走り、結果として不良債権の山を築いてしまいました。また本来ならこれを止めるはずの「株主」からも持合からチェックが入らず、結果として一部の企業経営者の暴走を許すことになりました。代表例としては、当時日本最大規模の百貨店だった「そごう」などが有名です。

バブル崩壊で「持合制度崩壊」

この強固な岩盤に見えた「持合経営」もバブル崩壊で、あっけなく終焉を迎えます。不良債権にあえぐ銀行は、暴落した持ち合い株式の減損を迫られ、不良債権の処理原資を捻出するために「持合株」の売却を余儀なくされます。また銀行以外の各企業も、利益を生まない「持合株」を保有し続けることが難しくなり、バランスシート圧縮の必要から、急速に「持合株」の解消が進みました。

ハゲタカファンドに荒らされる

このバブル崩壊による「持合株」制度崩壊の際に登場したのが「ハゲタカ外資ファンド」です。日本国内では1990年代後半から「ハゲタカファンド」による日本企業の買収が活発になり、バブル崩壊で体力の低下した日本企業も、これを防ぐことが出来ませんでした。有名なケースとしては、破綻した旧日本長期信用銀行(現。新生銀行)を政府による損失補償付きで買収した「リップルウッド」が有名です。

ライブドアショックを契機に新たな「持合株制度」の登場

一度は解消されたかに見えた「株式持合い制度」ですが、ここにきて再び形を変えて再登場していると言われています。そのきっかけとなったと思われるのが、2000年代にあった「ライブドアショック」と「村上ファンド事件」です。

ライブドアショックで買収防衛策が導入

ニッポン放送を買収することで、実質的に「フジテレビ」を買収しようとしたホリエモンこと堀江貴文氏率いるライブドアに対抗して、当時の日本政府と経団連などの財界主導で、会社法が改正され「買収防衛策」が導入されました。これによりライブドアのような既存の財界には属さない「独立系」の資本家による買収が封じられてしまいました。

ホリエモン実刑判決・・・逆らうやつは「刑務所入り」

またライブドア事件でホリエモンが有罪となったことから、敵対的TOBなどの既存の秩序に逆らうような行為は、実質的に「違法」との認識が広く社会に広がってしまいました。下手に買収を仕掛けると「東京地検特捜部」に「逮捕」されてしまう。有罪を認めないと、ホリエモンのように実際に刑務所に収監されてしまう。このような認識が社会に広く行き渡ってしまうことになりました。一方で既存の大企業の経営者達は、安心して眠れるようになりました。

もはや法治国家とは言えず

ちなみに、金融関係者の多くの間では、ホリエモンも村上氏も「無罪」というのが「常識」で、国家と経団連などの既得権益勢力による「でっちあげ」と言うのが「共通認識」です。それを、最高裁判所が追認しただけでなく、最後まで「有罪」を認めなかった「ホリエモン」に実刑判決を科して、刑務所に収監したことに対しては、法曹関係者からも疑問の声が出る始末です。こうなると、何かと批判の多い、政府に逆らうと直ぐ逮捕されてしまう、お隣の「中華人民共和国」と、さして変わらないと言われても、仕方のない状態です。

新たな持合制度・・・官民ファンド登場

更に大企業を保護する制度として、ここ数年目立つようになったのが「官民ファンド」です。当初、官民ファンドは、経営難に陥った大企業を整理し、再建を促すとの名目で設立されました。しかしその後の推移を見ると、「新たな持ち株制度」としての色合いが濃くなったように思います。経済産業省と財界が結託し、既存の大企業を整理解体するために利用することが多くなってしまっています。資本市場を通じて整理が行われるという、本来の金融市場の姿からはかけ離れた実態となっているようにしか思えません。

アベノミクスで日銀が大株主として登場

その後、さらに異様な状況が出現しました。アベノミクスによる「日銀の異次元の緩和策」です。アベノミクスのもと日銀が大量の株式をETFの形で購入。当初は、金額と期間を限定した異例の政策とされていました。しかし、その後も日銀による巨額の株式購入が続き、ついには「日本最大の大株主」になってしまいました。

既存の大企業の経営者たちは、実質的な「筆頭株主」である日銀が議決権を実質的に行使しないため、それ以外の「株主を無視」した経営が可能となってしまっています。

コロナ危機で官民ファンドによる実質的な国有化か

さらに今、新型コロナウィルス,の感染拡大から、経営難に陥った企業の救済策として、再び「官民ファンド」の活用が議論され始めています。本来であれば「会社更生法」などを適用して整理再建が行われるべきところ、コロナを言い訳として、官民ファンドから大規模な資本注入が行われるかもしれません。こうなると、もはや資本主義とは言えず、一種の「国営企業」による「社会主義」と言えなくもありません。

官僚が支配する国の運命は衰退

ここで思い出されるのは、旧ソ連です。一時はアメリカと張り合うほどの勢力を誇った「ソビエト連保」も、官僚による経済統制の失敗から、1991年にあっさり消滅していしまいました。その後10年近く旧ソ連圏の国民は、「ハイパーインフレ」「国家破産」などの経済混乱に翻弄されました。

日本企業と日本経済も、一部のグローバル企業を除くと、コロナ危機で、経済に対する官僚の介入が増加、結果的に日本企業にガバナンスの欠如と、非効率が蔓延することになるかもしれません。低迷した日本経済に「最後のとどめ」を刺すことにならないことを祈るばかりです。

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